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【ゆるふわコラム】10月20日(水):まじめに英語を勉強している人がいつまでたっても話せるようにならない3つの理由とは?

毎朝、早朝にGoogleニュースをチェックすることにしています。

おそらくGoogleのアルゴリズムに従ってランダムに掲載されているのですが、ボクが語学の情報検索をひんぱんに検索するせいか、英語学習法についてのニュースが表示されることが多いのです。

きょうもいつものように目を通していて見つけたのは、ビジネス雑誌に連載を持っている英語学校の記事で、次のような英語学習相談に回答していました。

●今回の質問:ネイリスト Mさん(32歳)
中学時代から英語が得意でないのですが、いつの日かネイリストとして、海外でお店を開きたいと思っています。そのために英会話教室にも長年通い、オンライン英会話でも勉強しているのですが、なかなか話せるようになりません。何がいけないのでしょうか。
日経ビジネス2021.10.18号より引用)

英語を真剣に勉強したことのある人なら、この質問者の学習法のどこに問題があるかすぐわかるのです。

大事なのは、ある程度の年齢が高くなってから一念発起して英語学習に取り組もうとする人はちょっと気をつけたほうがいいということ。

英語学習の経験が少ない人はそもそもの勉強の仕方についてよく知りません。それが、この質問者のような間違った学習法を選んでしまう原因です。

正しい勉強法を知らないと、安易にテレビCMやネットの広告に飛びついてしまい「有名スクールに通えば自分はできるようになる」と勘違いしてしまうのです。

では、自分の将来を真剣に考えて英語を勉強している人が、なぜ思わうように上達しないのでしょうか?

今日はその理由と対策について一緒に考えてましょう。

上達しない理由1:基礎知識の大切さに気づいていない

まず、この質問者は「中学時代から英語が得意でない」と語っていることから判断すると、まず語学のもっとも基礎的な「語彙」「熟語」「文法」の知識が不足していることが想像できます。

母国語でない外国語を勉強するときには、言葉とその使い方である文法をきっちり学んでからでないと、いきなりオンライン英語レッスンやスクールに通っても上達することはほぼ不可能。

基礎工事をしっかり行っていないのに立派なタワーマンションを建てようとしても、まともな建築物が建てられないのは当然です。

英語が上達しない理由2:いきなり一足飛びに「会話」しようとする

日本人が英語を勉強しようとするきっかけは人それぞれです。例えばこんな感じ。

・「スクールにいる金髪の美人先生と楽しく会話したい」
・「外国人の友だちと楽しく雑談したい」
・「会社で海外とのやり取りがあるのでZoomでスムーズに会話したい」

こうした目的がまったく違う人たちが、スクールやオンライン英会話にいきなり入会して話せるようになるでしょうか?

会話するネイティブスピーカーは当然子供の頃から英語に接して英語の中で育ってきているので、スラスラ話せるのはあたりまえ。みなさんが日本語を意識せずに話せるのと同じです。

ですから日本人であるわたしたちは、めんどうでも単語や文法から地道にやっていくしかないし、これが遠回りなようで一番の近道なのです。

英語が上達しない理由3:「会話」は最高難度であることをわかってない

英語初学者の人たちは「言葉を習得する順番」についてよくわかっていないので、スクールやネイティブにマンツーマンで習えばすぐに会話できるようになると勘違いしています。

しかし、外国語の習得の順番は次のように一歩ずつ階段を上がっていかないと上達しません。

●英語習得の5段階
1.英単語、文法などの基礎的なルールを覚える(基礎知識の習得)
2.覚えたルールに従って英文を読むことを学ぶ(リーディング力の習得)
3.耳で聴いた英文の意味を理解することを学ぶ(リスニング力の習得)
4.伝えたいことを英文で書くことを学ぶ(ライティングの習得)
5.思ったことをすぐに口に出して話すことを学ぶ(スピーキングの習得)

なぜ「会話」が一番難しいかおわかりでしょうか。

リーディング、リスニング、ライティングとスピーキングの間には、そのアクションにおいて決定的な違いがあるのです。それはひとことでいうと「即時性」の違いということになります。

◆リーディング、リスニング、ライティング
自分の頭で考えてからアクションを起こす時間の余裕がある
◆スピーキング
自分の考えや相手からの問いかけに即座に反応する必要がある

このように、スピーキングは「瞬発力」が命なので、もたもたしていると会話がもちません。

まるで卓球やキャッチボールのようにテンポよく言葉をやり取りするためには、3技能をきっちりこなせるようになって始めてできる「スペシャル・テクニック」なのです。

では、その基礎力をつけるためにはどういう勉強をすればいいのでしょうか。

このビジネス雑誌の英語会話スクールもアドバイスしているように、「まずは『中学英語を完全にの理解すること』ということになりますね。

まずは中学英語を完全に理解するための次の問題集が紹介されています。

この本を何周か回して中学英語の知識を確実にするとともに、YouTubeでも同じ内容が解説されていますので、同時並行で進めていくとそれほどつらくなく上達していけると思います。

いちばんしょっぱなのYouTube授業は「主語と動詞」。こうした文法用語を聞くと頭が痛くなるという人もいらしゃるでしょう。学校の退屈な英語授業の弊害なのかもしれません(笑)。



結論:中学英語をまず完璧に理解することから始めよう

長々と解説をしてきましたが、結局は「中学英語をまずしかりやりましょう」ということに尽きます。

中学時代に英語が得意だったひとならまだしも、もともと不得意だった人が英語を仕事で使えるようにしたいなら、スクールの先生頼みにしていてはいけません。

編集後記

私自身の経験からいうと、どんな参考書よりも確実に英語学習の習慣がついて、テキスト代がかからない方法は、NHKラジオの語学講座です。

私は子供の頃からずっとこのNHKラジオで独学してきました。

大学受験の時には英語が好きすぎて外国語大学を目指し、一浪したもの翌年には見事志望大学に合格し、滑り止めの関西4大私立大学にも同時合格することができました。

これからの日本は残念ながら世界での存在感はどんどん薄くなっていき、円安による国際競争力の低下で輸入品の値段もどんどん高くなることでしょう。また、少子高齢化で人口も減る一方だし、これからの国内産業はコロナとのダブルパンチで立ち行かなくなるでしょう。

もしあなたがこれからも働き続けたい、自分のビジネスを大きくして成功したいと考えるなら、あなたに残された道は「海外に打って出ること」しかないのです。

いまならまだ十分まにあいます。地味だけど毎日コツコツと英語学習を続け、適度に英語資格試験を受験して自分の到達点を確認していきましょう。

まずはこのNHKのラジオ番組の中から、自分の続けられそうなプログラムを探してみてはいかがでしょうか。



関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。