お勧め本。+雑感

まずは 『こころの処方箋』 河合隼雄著 新潮文庫
この本の内容は1988年2月から1991年12月まで、『新刊ニュース』に連載されたものに追加して出版されたものですが、今、読んでも心に響きます。ちょうどバブルのピークと落ち始めの時期なので、内容の変化も興味深いです。

 この中で「日本人としての自覚が国際性を高める」の項目では、1985年頃から「世界の日本に対する関心が高まるにつれて」、河合氏へ日本人の宗教性等についての講演依頼が増えてきたそうです。
そして「日本人は素晴らしいと喜ぶ日本人が増え、なかには、日本人のよい特徴として、いろいろなことをあげながら、このようなことはちょっと外国人にはわかるまい、という言い方をする人も多く見受けられる」という記述などは、日本人の上から目線の態度が、ちょっと疎まれ始めてますよ、気をつけましょうね、という指摘です。
若い世代にとっては「日本に、そんな時代があったのか」と感じられるかもしれません。今は「ジャパン パッシング(無視)」、「ジャパン ナッシング(なし)」と言われたりしますからねえ。←ちょっと古いかな。

とはいえ今でも、バブル期感覚の人も。
ところで先日、麻生財務大臣が新型コロナウィルスに関連して、

麻生氏は「こういうのは死亡率が一番問題」と前置きした上で「調べてみたが、人口100万人当たりの死亡者が日本は7人、フランスは228人、米国が824人、英国で309人」と紹介。「『お前らだけ薬持っているのか』とよく電話かかってきたもんですけども、『おたくとは、うちの国とは国民の民度のレベルが違うんだ』っていつも言って、言ってやるとみんな絶句して黙るんですけど、そうすると後の質問が来なくなるんで、それが一番簡単な答えだと思って、クオリティーが違うという話をよくしていました」と続けた。 (毎日新聞記事より)

というニュースがありました。財務大臣、それより元総理大臣(皆さん、記憶にありますか?笑)が、他国の首脳クラスに「日本人はレベルが違う」と言っちゃう神経が、上記のバブル期日本人の感性のままなんでしょうかね(^^;。

ただ麻生さんは40代前半で初めて選挙に出た時に、街頭演説で聴衆に向かって「下々(しもじも)のみなさん」と言ったという”伝説”があるほどなので、オレ様キャラは生まれつきなのかもしれません。

ただ、良くも悪くも「何をするかわからない」キャラは、政治家に最適だとも思います。
元議員として永田町の”町民”さん達を観察した感想は、「普通の感性、神経では続かない」ということ。
麻生大臣の「感性、神経が一般的ではない」部分は、評価が分かれると思いますが。    (明日に続く)


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