「やりたい事だけ、やる」では能力は伸びない? 「やるべきことをできる人が最強」という記事。
例えば受験勉強。
やりたくてやってる人は少数派では? と思います。
私は知識を詰め込む暗記作業より、漫画を読みたい欲が勝ってたし、集中力が続かなかったですねえ(^^;。
これは58歳になっても変わらず(笑)。
淡々と、やるべきことをやる人へのリスペクトを、忘れないようにせねばと改めて感じます。
ところで間違いやすいのは、「好きなことだけして生きて行こう」。
これは実際は「好きなことを続けるために、やりたくなくてもやるべきことは、やる」必要があります。
そこをうっかり「好きなことだけして生きる、だから雑用はしない」となると、何も成果は得られません。
また、「やるべき」ばかりを優先するとメンタルが疲弊するので、バランスも大事ですね(^^)
まだ駆け出しのコンサルタントだったころ。
私は様々な企業の「人材育成の仕組み」を作る手伝いをしていたことがある。
その際に必ず議論になるのが、「出世するには、どのような能力が必要なのか」だった。
この議論は複雑で、
「論理的思考力」
「コミュニケーション能力」
「目標達成能力」
「資格」
「人材の育成力」
など、様々な側面から検討がなされた。
しかし、個人的に最も説得力があったのは、ある会社の経営者の考え方だった。
*
「安達さん、他社さんでは、必要な能力に何を設定してるの?」
と、社長は、人材評価シートのサンプルを見ながら、私に問いかけた。
「御社と同じ規模・業態だと、やはりコミュニケーション能力と論理的思考力をあげる会社が多いですかね。」
と私は無難な回答をしたつもりだった。
しかし百戦錬磨の経営者を簡単にごまかすことはできない。
すぐに突っ込まれてしまった。
「それって本質的に重要な能力なの?」
私は困った。
重要でないとは言えない。しかし、本質的か、と言われると困る。
他よりも重要である理由を、うまく説明できないからだ。
社長は私を問い詰めるのではなく、自問自答していた。
「ビジネスの能力の根幹って、何なんだろうね……」
そして、しばらく考えた経営者は、ぽつりと言った。
「ああ、そうか。学習能力だ。」
(略)
あれこれ思索を巡らせたが、それは後になって解決した。
それは、一人の「学習能力の高い」部下の発言からだった。
彼に「君は、やる気があっていいね」といったところ、
「やる気なんか別にないっすよ。やらないとダメだから、やっているだけです。」
といった。
「仕事が好きなんだね?」
と聞き返したが、彼は言った。
「いや、別に好きでもないっす。さっき言った通り、やらないとダメだからやっているだけです。」
私は不思議だった。
「好きでもなく、やる気もない」のに、自らの貴重な時間を投じて、学習を行っていたのだ。
しかし、彼を観察するうちに、疑問は徐々に解けた。
実は多くの場合、新しい学習の妨げとなるのは、「モチベーションがわかない」という釈明であったり、「嫌いだから」「面倒だから」という言い訳だ。
そういったことを全く意に介さず、「必要があればやります」という態度。
好き嫌いやモチベーションを言い訳にせず、「成果のためにやるべきかどうか」だけで行動力を発揮すること。
それが「学習能力の高さ」の正体だった。
したがって面接では「行動実績」に係る話だけをすれば、ほぼ「当たり」を採用することができる。
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