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『運 ドン・キホーテ創業者「最強の遺言」』。集団運という概念に、納得です。メルマガBBMより。

起業する時点では個人の思い・信念が強いですが、組織が大きくなってくると個人的な思いだけでは継続できない。
いっそう飛躍できるか収束してしまうか、はスタンスの切り替えが必要なんだと思いますが、それは経験者にしかわからないのだと思います。

以下、出版コンサルタント 土井英司さんのメルマガによるご紹介です。
ビジネスブックマラソン Vol.6515 
『運 ドン・キホーテ創業者「最強の遺言」』

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■〔1〕本日の一冊

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『運 ドン・キホーテ創業者「最強の遺言」』安田隆夫・著 文藝春秋

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こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、「89年末以降
に株価が大きく上昇した主な銘柄」ラ
ンキングで5位にランクインした、ド
ン・キホーテ(パン・パシフィック・
インターナショナルHD)の創業者、安
田隆夫さんによる「最強の遺言」。

オビに「印税辞退で驚安価格!」と書
かれているのが笑えますね。
(今どき720円+税です)

内容は、創業者にありがちな成功譚と
精神論が中心ですが、ここぞという場
面での勝負勘や不運に見舞われた時の
心構え、経営・マネジメントにおける
考え方は、大いに参考になります。

不振に終わったコンビニ新業態「情熱
空間」を損切りし、社内の反対を押し
て「長崎屋」を買収、生鮮部門のノウ
ハウを獲得したことで「MEGAドン・キ
ホーテ」に繋がったという話は、なる
ほどと思いました。
(地方に住んでいると、この業態がい
かに有望かがわかります)

著者の行動のベースとなっている「打
率と打点の交差主義比率」、「果敢な
挑戦」と「迅速な撤退」は、常にセッ
トであるべきだという主張、付き合っ
てはいけない人間のタイプなどは、全
ビジネスパーソンの参考になると思い
ます。

そして、マネジメントに携わる人が参
考にしたいのが、後半で語られる「集
団運」の高め方。

人の上に立つ人の多くは、最初、何ら
かのハングリー精神から物事を起こす
と思いますが、そのままでは「個運」
は高まっても「集団運」は高まらない
ということが書かれています。

では、集団運を高めるにはどうしたら
いいか。

本書には、その秘訣と、同社がそれを
どう現場のマネジメントに落とし込ん
だかが書かれています。

さっそく、気になるポイントを赤ペン
チェックしてみましょう。


運のいい人とは「運を使い切れる人」
であり、運の悪い人は「運を使い切れ
ない人」あるいは「使いこなせない人」
だと言える

とりわけ会社(組織)には「集団運」
というものがあって、これが成長と発
展の決め手になる

不可避なものに対する諦めの良さも、
強運の基礎になる

「挑戦者」であることが、運を引き寄
せる上での前提条件

人生においては常にチャレンジを続け、
サンプル数を多くしていくことが重要

経験した不運が大きければ大きいほど、
訪れる幸運は不運に“反比例”して大き
なものとなる可能性が高い。そういう
時は、まさに「得手に帆を揚げる(得
意なわざを発揮できる好機が到来し、
調子に乗って事を行うこと)」ように
して、エンジン全開で思い切りレバレ
ッジ(てこ)をかけ、その幸運を一気
呵成に増幅させなければならない。
「運を使い切る」ことに全力を注ぐのだ

何回失敗しても、圧倒的な“大勝ち”が
あればいい

「情熱空間」を“損切り”し、「長崎屋」
を買収。後述する新たな業態に資金と
人材を投入したのだが、これが大いな
る“吉”と出た。「長崎屋」の買収によ
り、それまで当社が弱かった食品部門
(とりわけ生鮮部門)のノウハウを獲
得することに繋がり、〇八年六月には、
後にドン・キホーテに次ぐ主力となる
「MEGAドン・キホーテ」の一号店を開業

「打率と打点の交差主義比率」
「交差主義比率」は、在庫の商品がど
れくらい利益を上げているのかを確認
するための計算式であり、「在庫回転
率×粗利益率」を計算し、この比率が
高いほど、効率よく儲かっている商品
だ。ということは、その商品に力を入
れていくのが、もっとも合理的なビジ
ネスの勝ちパターンだと言える

「果敢な挑戦」と「迅速な撤退」は、
常にセットであるべきだ

戦略や戦術を語る前に、まずは戦闘モ
ードを全開にせよ

他罰的な人は避けた方がいい

「人は人のことなど分からない」。だ
から「時間のテスト」が必要になる

原因を解決しようとする側ではなく、
原因になっている側から発想してみる

ビジネスは二者択一ではなく、常に
「こちらも立て、あちらも立てる」と
いう「AND」の発想をしないと成功し
ない

経営者の一歩より社員の半歩


巻末には、著者が『ビジョナリー・カ
ンパニー』に触発されて作ったという、
『源流』の抜粋が掲載されており、経
営理念や行動規範を作ろうと思ってい
る経営者は、必読の内容です。

『ビジョナリー・カンパニー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822740315/businessbookm-22/ref=nosim

「マネジメントの鉄則九箇条」
「次世代リーダーの心得 十二箇条」

あたりは、壁に貼っておくといいと思
います。

ぜひ、読んでみてください。

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