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日本人は身長・体重を正確に自己申告するのか?

身長・体重を計測せずに自己申告した場合、日本人はどのくらい正確に申告するのでしょうか。

大人数の身長・体重を知りたい時は実際に測るよりか自己申告してもらう方が手軽に知ることができるというメリットがありますが、ほんとの数値なのか分からないというデメリットもあります。

そこで、日本人を対象に身長・体重・BMIの自己申告値と実測値を比較した研究を集めた論文があったので紹介します。

この論文の中でレビューされた研究は
①2022年までに出版されている
②英語または日本語で記述されている
③全文が利用可能
④国内に住んでいる日本人を対象としている
⑤同一人物から取得した身長・体重・BMIの申告値と実測値の比較がある
の条件を満たしているものになります。

全部で17の研究が抽出され、
研究ごとの①身長②体重③BMIの
平均申告誤差(申告値の平均➖実測値の平均)
をグラフにしてみました。

縦軸はcm、横軸は各研究
縦軸はkg、横軸は各研究
縦軸はBMI、横軸は各研究

研究ごとに時期や対象者数、対象年齢、
自己申告を聞いてから実際に測定したのか
実際に測定してから自己申告したのか
など異なりますが、
自己申告は実測値と比べて
●身長は過大申告(高め↑)
●体重は過少申告(低め↓)
●BMIは過少評価(低め↓)
となるようです。

身長・体重を自己申告してもらう場合は
申告誤差を考慮する必要がありそうです。

出典はこちら↓

日本人における自己申告による身体計測値の正確性:スコーピングレビュー
日本公衆衛生雑誌 2023;70(12):817-827

おまけですが、スコーピングレビューって最近ちょくちょく見るんですが、調べてみたら下記のようなものらしいです。

スコーピングレビューとは、網羅的に既存の文献を調べ、ギャップを特定することと言える。ギャップとは、すき間、空白、抜けているものを意味し、ここでは研究する必要がある未解決な部分を指す。

スコーピングレビューのための報告ガイドライン日本語版:PRISMA-ScR

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