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ダニ・カビ・結露 
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2.カビ 
①カビとはどんな生物?
微生物の一種で、真菌と呼ばれています。真菌は、糸状菌と酵母にわけられます。
建物に発生するのは、大方は糸状菌です。

●糸状菌:真核細胞から構成される菌糸で、光合成色素を待たず繁殖する生物群
胞子から菌糸を基質に伸ばし、糸状に分枝して、栄養体を作り、生殖期に入ると、気中に菌糸を出し、胞子柄、胞子を実らせ、時に大集落を形成する。

問題1 ***
基質とは?(細胞質内でゴルジ体・ミトコンドリアなどの構造物の間を埋めているもの)      *** 
㋐酵素の作用を受けて化学反応を起こす物質。アミラーゼが作用するでんぷんなど。
㋑代謝の出発物質。
2 複合した構造の基盤となる部分。
㋐細胞間にある物質。細胞間質。礎質。
㋑染色糸を取り巻く物質。染色体基質。
㋒細胞質内でゴルジ体・ミトコンドリアなどの構造物の間を埋めているもの。細胞質基質。
●酵母:単細胞で過ごす点は細菌と似ているが、真核細胞を持つ点が細菌と異なり、主に発芽で増殖、糸状菌のような大集落ではなく住宅の浴室などに白、ピンク、クリーム、黒などの糊状の小集落を作る。
    
②カビ(真菌)の生育条件は?
カビは、 温度、水分、栄養、酸素、水素イオン濃度、その他で生育します。

 ●温度:カビの好む適正温度によって、
高温性菌、中温性菌(建物に発生するのはこれが多い)、低温性菌がある。

問題2 ***
増殖最適温度は、高温性菌(55~65℃)、中温性菌(30~38℃)、低温性菌(12~18℃)***
細菌の増殖に最も適した温度(最適増殖温度)は菌種によって異なり、一般に低温菌(最適増殖温度;12~18℃、0℃で増殖可能)、中温菌(最適増殖温度;30~38℃)、高温菌(最適増殖温度;55~65℃、一部の菌は95℃でも生育可能)の3群に大別される。
●水分:他家栄養型微生物であるカビは、建材中等の自由水を利用
コンクリートの余剰水、結露水が建材に吸収され含水率を超えた自由水、浴室のタイル目地等の含水率を超えた自由水

●栄養:有機化合物
建材:木材、合板、繊維板、石膏ボード、塗料、接着剤、発砲ウレタンホーム、ビニルクロス、畳、繊維壁、モルタル、漆喰等々
付着物:垢、フケ、食べこぼし等々

●酸素:細菌や放線菌には酸素が不要な嫌気性菌があるが、カビの多くは要酸素、好気性菌
(酸素を取り込めないようにと壁を塗料で塗っても小さな穴から酸素を吸収し、塗料の栄養もあって、再発する。)

●水素イオン濃度:pH 1.5~11.0で発育。糸状菌はpH5.0~6.5の弱酸性域を好む。

●その他
  ・紫外線に晒されないところ(住宅北側の押し入れの裏などが多い)
・表面が平滑でない材料
・防カビ剤など生育阻害分子があるところ
・掃除などが行われてない所

③カビ働き?加害面と利用面
●加害面
  ・病気の原因になる
 (水虫など真菌性感染症、喘息などアレルギー症、有毒キノコなどによる食中毒症 等々)
  ・食品等の変質(ナッツ類他)
  ・建材、工業製品、美術品等の劣化、損失
  ・環境汚染(カビが発生した住宅の室内空気菌は外気の10倍以上あったりします。)
問題3 ***
身の回りで起きたカビ菌による被害は?身体的被害や食品被害等
              ***
※ アスペルギルス・フミガーツス」は病気を引き起こすため、気をつけなければいけない真菌です。土壌や空中、穀物など私たちの周りに広く生息しているのですが、空中に漂っている胞子を吸い込んで感染してしまうと、肺や気管支に異常をきたす肺アスペルギルス症となる恐れがあります。
主な症状はせきや喀痰、胸痛、呼吸困難などですが、肺の空洞に真菌の塊ができてしまう肺アスペルギローマを起こすことも少なくありません。免疫抑制剤やステロイドを使用している場合などには、真菌が血管内に侵入してさまざまな臓器を侵してしまう「侵襲性肺アスペルギルス症」となることもあります。肺だけでなく、副鼻腔炎や外耳道炎を起こしたりする場合もあるとされています。また、穀類などで繁殖すると、カビ毒を生み出したりもします。
「エクソフィアラ」という黒色真菌は、皮膚の膿瘍や潰瘍を引き起こすだけでなく、肝臓や脳の膿瘍を形成するとされており、脳を侵されて死に至る例もあるといわれています。浴室の排水溝などだけではなく、加湿器の内部からエクソフィアラが見つかった例もあります。そしてエクソフィアラによる病気は増え続けていますので、湿気の多い場所は、なおさら清潔に保つ必要があるのです。
「フザリウム・ベルチシリオイデス」も、人間に感染する真菌です。目の角膜に感染した場合、痛みや充血を起こすことがあり、角膜真菌症にかかってしまいます。また、白血病やエイズ患者の場合は、肺炎や敗血症を引き起こすことがあるとされています。室内では、パソコンやテレビの裏側にこの真菌が潜んでいる場合もあります。静電気が発生する場所で増殖するケースがあるため、電気製品周辺の清掃は、慎重に、丁寧に行わなければなりません。

●利用面
・食品(味噌、醤油、チーズ、アルコール、等)
  ・微生物(クエン酸等)
・医療(ペニシリン、ビタミン、ステロイド、等等)
・他
*余談1:ダニもカビも悪者のイメージが大きいですが、ダニも土壌に良い働きをしている面もあるし、カビも利用面も大きいですね。先日TVでシロアリの生態を見ていたら、森の土壌改良にとって大事な働きをしていたり、集団を維持するために自分を犠牲にしていたりと感心させられました。害虫だからと全てを抹殺するわけにはいかないのだと、、、そういえば、ハブ咬傷被害の対策として、海外から持ち込んで繁殖させたマングースが時を経て、家畜や希少動物に被害を及ぼすことになり、今や捕獲対象。物事は、どちらの側から見るかで評価が異なるし、今、正しいと言われていることも変化する、という事を頭に入れて、我々は、情報を自分なりに取捨選択する力をつけることが肝要です。講義でも常に本当かな?自分には当てはまるかな?調べてみようという姿勢で、賢い生活者を目指してください。
そういえば、子供が小学校の時の自由研究でハブの研究をしました。ハブ毒も医療面で役に立ちそうだと研究している研究者がいました。ハブの話は機会があればそのうちに。

④住まいにおけるカビと対策
 ●外装(住宅が蜜集し、風通しが悪く、日陰になる外壁面などの黒ずみ)→設計段階での防カビ仕様
 ●床下(床板裏側に生じたキノコ等)→床組材は防腐処理材を使う/ 床下の換気をはかる。自然換気及び強制床下換気装置/ 敷地の防湿/ 工事時の床下の木屑等の清掃/ その他
●クロス壁(クロス面上に現れたシミ等)→クロスを貼る前の処理 防カビ剤入りボンドや糊
                       BUT ホルムアルデヒド等が入ってないかの検討必要
防カビ剤入りボンドや糊の人への影響についてもチェックのこと
 ●壁・家具(北側壁に面しておいた家具と壁面のカビ)→壁面の結露に対応し、家具を床や壁から離す。                              BUT 転倒防止対策を
 ●台所(排気重要  排煙排気計画 換気扇の使い方を確認)
 ●浴室/アルミサッシ窓/畳 →次亜塩素酸ナトリウム又は漂白剤又は消毒用アルコールで拭く。
   ***カビ退治の時の禁則***
・カビ部分に掃除機をかけない(胞子をまき散らさないように)
       ・締め切った状態で行わない(気化したメチルアルコールは頭痛等を起こす)
・次亜を含む防カビ剤と酸性タイプの洗剤を同時に使わない。(塩素ガス発生で死に至る)
・次亜は素手で扱わない(皮膚刺激性が強い)
・発生部分に一般塗料を塗らない。(カビに栄養を与えることになり、再発する)

問題4 ***
自分の家などのカビ被害と対策を教えてください。
何故その対策法を取ったのかの根拠も教えてください。             ***
現在の住まいではカビは生える気配は無いが、糸満に住んでいた時に、築3年の集合住宅ではあったものの、収納では、カビが繁殖した。ビニール製のバックやスーツにカビが繁殖した。対策としては、カビキラーなどで定期的に清掃することだが、そもそも、カビの生えた服は廃棄しました。埃がカビの繁殖原因になると考えたことから、定期的に清掃しました。また、換気回数を増やしたり、湿気対策などをしましたが、沖縄の湿度は高いので、あきらめました。
 高温多湿の場所では、そもそもモノを持たないことが肝要かとおもいます。


⑤カビの発生しにくい健康住宅を建てるために留意すべき事
・マスタープランの段階(カビ予防のための予算等)
・設計段階(立地や環境条件に対応して、防カビ、断熱、通風換気計画)
(冷段房器、乾燥器、換気設備、台所換気扇等の設備の選定と配置等)
(防露/ 断熱/ 防カビ処理部位と程度)
(室内仕上げ材の選定)
・住まい方マニュアル(維持管理)

その他
 私見ですが、カビの発生しにくい建築住宅は、その地域の気候によって変化するのと思います。高温多湿の環境では、北側で通風が確保できない箇所は、機械換気と温湿度管理がされていない場合は、確実にカビが生えるかと思います。また、用途地域では、日影規制がされない工業地域や商業地域では、住宅をそもそも建築しないことが大切かと思います。人が住むところに住むという感覚が必要かと思います。安い土地に安い家では、カビの住む家ということになろうかとおもいます。

 以上

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