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人間と世界の探究 第5回


 
【1医学・生理学】
1.    対極性(1)
アントロポゾフィー医学では、対極性や三分節の視点が重視されている。西洋医学では局所的に捉える傾向が強い。
生物を一つの塊として見ること自体が対極性を無視している。その方向性を無視している。人間を石ころのようにみるのはバランスが取れていない。
生物を生物として捉える。
2.    対極性(2)
病気を全体的に捉える。マクロな視点から全身を観察し、そこに働く力のバランスを捉える。
自然は手加減を知らない。反対の力が釣り合っているからとゲーテは考えた。
  自然界においても拡張と収縮がある。
3.    身体の対極性
身体にも対極性がみられる。例えば頭寒足熱という言葉など。
呼気と吸気、吐くと吸う。睡眠と覚醒。波を打っているのが健康な状態である。
4.    症状の対極性
症状についても対極的に捉える。重要なのはバランスである。
5.    身体の三分節(1)
三分節については、シュタイナーが考案した。
頭・胸・腹/四肢と分類される。
6.    身体の三分節(2)
頭は物質的・無生物的ととらえる。
腹は、生命力を感じられる部分である。
四肢は、変化の激しい部分。
7.    部分の三分節(1)
頭についても三分節するものと捉えることができる。
8.    部分の三分節(2)
耳・歯・手・その他の部位についても同様である。
【2 教育Ⅰ】
教育の場合は、時間的全体も重要である。
シュタイナー教育は、現代の早期教育を反対している。
発達段階が非常に重要である。子供にふさわしいのは意思。
過度に思考力を刺激しない。
子供は動的である。子供は現実的・具体的に行動する。
考えないで、無意識的に行動する。大人が対応できないくらい動き回る。
頭は、物理的に機能しない。機能面において。
こういったことから、子供時代に伸ばすのは、意志である。
子供時代には、思考力は伸ばしにくい。思考力は後からでも十分伸びる。
意志の力が必要である。意志の力を伸ばすのは難しい。世の中に貢献する気が無い。強い意志と豊かな感情が育つことが大切である。思考>感情>意思という関係性がある。土台にあるのが意思である。
主に、3つに分類している。思考・感情・意思
慣用表現の「頭」は、ほとんど思考を指している。胸は感情を表している。腹になると、たいてい意思の働きを表現している。
 
1.    思考だけ?
現代の教育が思考重視となっている。
思考以外に何があるのか。思考だけでは起きられない。
思考は、実際に行動を伴わない。妄想など。思考は抽象的である。
2.    意思
シュタイナー教育では、思考と並んで重視されるものとして、感情と意思を挙げられている。実際に行動に移されるのが意思である。
必ず指令が出てから動く。意思には行動が含まれる。意思は具体的で行動的である。意識しなければ、自分なりの歩き方しかできない。
3.    思考・感情・意思(1)
思考・頭・静的・非現実的・意識的
感情・胸・リズム・半現実的・半意識
意思・腹/四肢・動的・現実的・無意識
思考と意思のみを比較する。
4.    思考・感情・意思(2)
感情は、思考と意思の間に位置している。思考は考えるだけ。
5.    思考=頭/意思=腹手足(1)
頭はもっとも静的な部分である。思考≒行動となる。生命の源は腹(内臓)である。
6.    思考=頭/意思=腹手足(1)
脳死状態に陥った妊婦が出産した例などが知られている。そもそも脳が無くても生きられることは、植物や下等動物などを見れば明らかである。脳が生命の場だというなら、脳がない植物は生きていないことになる。
腹こそが中心的な生命の場と言えるだろう。人体中でもっとも激しく動くのは手足である。手足をはじめとする運土組織にエネルギーを供給するのが腹(内臓)という関係にある。
7.    思考=非現実的/意思=現実的(1)
思考の対象は基本的には概念である。
8.    思考=非現実的/意思=現実的(2)
意思は、直接的、思考は非現実的、抽象的、間接的である。
9.    思考=意識的/意思=無意識的(1)
思考が意識的である。意思は無意識的である。無意識的な動きとして、心臓の収縮、また呼吸である。食べ物の消化も、口で噛んで飲み込むこと以外は無意識のうちに行われている。
人間の生命を支えているのが無意識である。
10. 思考=意識的/意思=無意識的(2)
個々の筋肉や骨の具体的な無数の動きは無意識によってコントロールされている。多少表面的で多少意識されやすい面「人生観」「生きざま」「人間性」、比較的表面的で意識されやすい面「やる気」「根気」「忍耐力」などの言葉で表現できる。
11. 感情は両者の中間(1)
感情は半現実的である。感情は思考ほど意識的ではないが、意志ほど無意識的でもない。
12. 感情は両者の中間(2)
感情は動的かつ静的である。リズムという言葉で表現される。感情とリズムとの結びつきが示される。
 
【3 生物学】
1.    三分節の共通性(1)
人間だけでなく、脊椎動物全般に人間に似た三分節が見られる。骨をみるよくわかる。
2.    三分節の共通性(2)
昆虫の場合、明確なくびれがある。くびれによって分節されている。人間の場合は、骨格にその特徴がみられる。
3.    マクロな分野
昆虫と人間が三分節化に向けて進化しているように見える点がある。
4.    骨格の対極性
無脊椎動物は外骨格で、脊椎動物は内骨格である。三次元で反転している。
世界から距離をとっている脊椎動物は、世界からより独立している。中心が周辺部、世界との接触点にある無脊椎動物は、世界により従属している。
脊椎動物は中心が固い。世界から距離がある。
 
以上

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