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墓は、人間がつり出した社会的装置である。定義として、死者の記録、あるいは供養・祭祀のために設けられた可視的に認識されうる標識あるいは施設である。墓地とは、埋設地あるいは墓の集合として一定の空間を占拠した区域である。墓地は一般に生者の世界と区分された空間に設けられることが多い。また、墓地は無税地であったこともある。一方で、墓地は居住空間/居住敷地の中に組込まれることもある。一定の社会集団が共同で利用することを前提にされている。地縁関係を通じて墓地が共有されている形態や宗教と共通にする人々の集団が墓を共通にすることがある。日本では、家族が連続することを前提として、民法に祭祀条項(第897条)があり、欧州は無く、墓の継承に関し法制度が異なる。他方で、日本では少子化等により家族の連続性を維持することが実質困難になっており、撒骨や家墓を止揚し、新しい形態の墳墓を模索しはじめている。

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