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父子語り

「仲間の結婚式で帰るんだけど、新幹線とかハイウェイバスとか色々考えたけどさぁ、神奈川まで迎えにきてくれない?」横浜で働く息子からの電話。

2019年暮れから始まった行動制限される厄介な世の中。
都会に住む者は、皆んな感染者のような目で見られがちな風潮も2年も続くと、この国大丈夫かな?なんて懐疑心が生まれてくる。
当時、息子は大学4年生だったから卒業式前から一度も帰郷していない。

新幹線の方がずっと早いし、新潟からの高速道路とガソリン代と比べたらずっと安い。
「そっちはさぁ美容室やってるから、お客さんとかスタッフさんとかのこと考えたら、なるべく公共交通機関使いたくないしさぁ」
なんて言い訳してたけど、きっとゆっくり話したいんだろうなぁ。
新潟滞在は2泊3日らしい。結婚式があるから家で話せる時間はそれほど期待できないし、車移動ならたっぷり4時間はある。
そんなことを考えながら、二つ返事で「 OK!」

台風16号が珍しく関東地方に最接近するという。台風に向かって出発だ。
トイレ休憩を往復それぞれ1回ずつ。ピックアップしてすぐ帰路へ。
新潟出発11:30、新潟着19:30。約710km、ちょうど8時間。
帰路は運転してもらう予定だったが、自然と運転席に座ってしまし結局最後まで。

「晩飯、何食べたい?焼肉?」「いや、肉より魚が食べたい!」
焼肉屋さん行った方が簡単で、つい言ってみたがそりゃぁ久しぶりの帰郷なんだからお母さんと俺の手料理の方が良いよな。
女房に連絡したら、「それじゃぁ私は海鮮鍋と茶碗蒸し作る」
俺は着いてからスーパーと相談しよう。
いつものスーパーで、生ニシンと鮭の白子発見。よしこれだ!
生ニシンは牛蒡と生姜で甘辛く煮付け、鮭の白子はしっかり下拵えして大葉と小葱を添えてポン酢に。それと女房の海鮮鍋と茶碗蒸し、土鍋で炊いたご飯で乾杯!

帰宅するなり、仏壇へ向かい祖父に挨拶する姿にお婆ちゃんは大満足。
長男も顔を出してのワイワイガヤガヤ。
やっぱりみんな揃うっていいね。

ところで車中での会話は何話したかって?
男同士の会話なんて、ほぼ無言・・・じゃなくて結構色々。
仕事のこと、将来のやりたい事、最近の恋愛
「東京リベンジャーズ読んでる?あれ、お父さんの時代でしょ」俺の時代感とはちょっとずれてるんだよなぁ。金八先生・横浜銀蝿・なめ猫・聖子ちゃん・明菜にキョンキョンだった。
こんなたわいも無い会話が心地良い。
そういえば、めちゃ嬉しい一言言ってくれた。
「お父さんのところに生まれて、俺よかったわぁ」???
「適度に放任、けっこう自由にやらせてもらえたし、まぁ何回か殴られたけど今でも学び多いし、酒飲めるし、語れるし」
なぁんだ、自分に都合の良いことばかりじゃん。
でも素直に伝えてくれるって、嬉しいね。ありがとう‼︎
職は継いでないけど、意思は継いでるな。

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