仕事を任せるということ

マネジメント業務を行う上で、この半年で少し成長したと思ったのは任せる力。マネジメントに関する本を読んでいるとよく任せる重要性が説かれているが、なかなかできていなかった。

スピード感の求められる状況下で施策を打っていくにあたって、まずはきちんと売上は上がるのか、それは継続性があるのか、仕組み化できるところはできているか、などさまざまなことを同時並行で考えなくてはならない。

半年前のぼくは、「考える人」の役割をすべて担い、「オペレーションを回す人」はメンバーに任せ線を引いてしまっていた。理由は明快で、自分がやったほうが早いと思ったから。それは自分は優れているという感覚よりかは、オペレーション回すのが得意なメンバーがいるからそれぞれの強みを生かして分業すればいいんじゃないか?という考えの元だった。

でもそれだとうまくいかなかった。売上は立つしなんとなくメンバーも増えていくけど、なかなか士気が上がらずチームとしての統一感はまるで生まれない。個人プレイの集まりという時間を数ヶ月過ごした。

そこから上期の振り返りやメンバーからの直接のフィードバックなどを通じて「このままじゃダメかも」と思い立ち、思い切ってやり方を変えた。まず、ある特定のメンバーにサブリーダー的な役割を明確に与え、責任範囲を個人だけでなくチームの数字というところまで引き上げた。メンバーは自分とそのサブリーダー含めて5名。役割を与えると、人は責任感を持ち主体性を発揮していく、というのは自分自身がこの1年で学んだことだったので、それを転用しようと考えた。

その後、これまでにお願いしたことのない仕事を振っていき、SFAやスプレッドシートなどのツールにも徐々に慣れてもらい、今ではチームを仕切ってくれている。

その人のすごいところは、毎週終わりに「今週のコメント」のような形でメンバーひとりひとりに対して今週の良かったところ、課題と雑談で得た話を交えてチームチャットで伝えているところ。ぼくの経験とか役割からだと見えづらいオペレーションの細かいところを見て、高い精度で伝えている。

自分が役割を任せたからその人の成長を支援した、とはあんまり思っていない。その人が持っている力を役割によって解放した、というイメージのほうが近いのかもしれない。

仕事を任せるとは、もちろん少しむずかしい仕事を与えてもがき苦しみながら成長を促すという意味合いが強いと思うけれど、もともと持っている強みを発揮してマインドチェンジする機会にもなり得るのかもしれないな、と後から振り返っておもったりもした。

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