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ISOの是正処置後に行うフォローアップの注意点とは?方法や内部監査員が意識することについても解説!


1. フォローアップとは

ISOの審査における「フォローアップ」とは、審査で発見された不適合や改善点に対して、その後の対応状況を確認するプロセスのことです。フォローアップの目的は、組織が継続的に改善を進め、ISOの要求事項をしっかりと満たしているかを確認することです。ここでは、フォローアップの具体的な手順について、4つの方法を解説します。

文書化して提出する

不適合や改善点に対する対応策は、口頭で伝えるだけでなく、文書としてしっかりとまとめて提出することが求められます。文書化することで、組織内の担当者全員が対応内容を共有しやすくなり、後から確認する際も情報がはっきりと記録に残ります。たとえば、「改善計画書」や「是正報告書」といった形で、不適合が発生した原因、具体的な改善対策、実施した日付、責任者などを明記することが一般的です。審査員が書類をもとに確認できるよう、正確かつわかりやすく記載しましょう。

現地で確認してもらう

文書で報告するだけではなく、現場で実際の状況を確認することも大切です。たとえば、審査で「不適切な管理手順」が指摘された場合、実際にその手順が改善されたかを現地で確認してもらうことで、審査員に対して効果的な改善が行われたとアピールできます。現場でのフォローアップは、書類上ではわからない細かな改善点にも気づけるため、より信頼性のある対応となります。

次回審査時に確認してもらう

すぐにフォローアップを行えない場合や、改善結果を長期間にわたって確認する必要がある場合は、次回の定期審査で確認してもらう方法もあります。この方法では、一定期間を設けて改善の効果を観察し、結果を次回の審査で報告します。特に、長期的な効果が求められる改善には適した方法です。担当者は、次回の審査に向けて継続的に改善状況を記録し、資料を揃えておくとよいでしょう。

フォローアップ監査を実施する

場合によっては、フォローアップのために「監査」を追加で実施することもあります。フォローアップ監査とは、前回の審査で指摘された事項を改善したかを確認するための特別な監査です。第三者監査機関が行う場合もあれば、内部監査員が定期的に実施する場合もあります。フォローアップ監査を行うことで、改善の進捗状況をしっかりと把握し、さらに必要な対応がある場合は素早く対応できるようになります。

2. フォローアップ時の注意点

フォローアップは、単に指摘事項に対処するだけではなく、将来的な問題の再発を防ぐ重要な機会でもあります。ここでは、フォローアップ時に注意しておくべきポイントを解説します。

まず、改善が実際に有効かどうかを見極めることが大切です。改善を実施しただけで満足せず、その対策が本当に機能しているかを確認しましょう。また、問題の原因をしっかり追求し、表面的な対処だけでなく根本的な対策を講じることが重要です。たとえば、「ミスの原因が作業手順にある場合」は、手順そのものの見直しを図る必要があるかもしれません。

さらに、改善内容を組織全体で共有することも大切です。改善策を一部の担当者だけでなく、全員が知っておくことで、今後の類似の問題を未然に防ぐことができます。このように、フォローアップを組織全体の「成長のチャンス」として捉えることで、より効果的な改善につながります。

3. 内部監査員が注意しておくべき点

内部監査員は、フォローアップの際にいくつかの点に特に注意する必要があります。まず、指摘事項に対する是正策がISOの要求事項に適合しているかをしっかりと確認しましょう。改善策が形式的なものにならず、実際に効果が出ているかを見極めることが大切です。内部監査員は客観的な視点を持ち、改善の本質に目を向ける姿勢が求められます。

次に、内部監査員が注意すべき点として「改善の持続性」が挙げられます。一時的な改善ではなく、長期的に効果を維持するためには、関係する全員が改善内容を理解し、継続的に取り組むことが必要です。例えば、改善のための教育や定期的な確認など、フォローアップ後の継続的な支援が求められる場合もあります。

最後に、改善策が再発防止につながっているかを確認することも重要です。ISOの本来の目的は、継続的な改善によって品質や安全性の向上を図ることです。そのため、フォローアップが単なる「チェック作業」に終わらず、再発防止の観点から意味のあるものになっているかを見極める必要があります。

フォローアップは、ISOを導入した組織が品質や安全性を向上させ、信頼を築くために非常に大切なプロセスです。基本的な手順とポイントを押さえて、効果的なフォローアップを実施し、組織全体の成長につなげましょう。


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