ISO審査で不適合と指摘された...不適合になる条件と定義について解説!
1. 規格不適合となる条件とは
ISO認証を取得するためには、規格の要求事項を満たし、さらにマネジメントシステムの有効性をしっかり保つことが求められます。しかし、この条件が満たされていない場合、不適合とされて改善を求められることがあります。ここでは、不適合になる具体的な条件を詳しく見ていきましょう。
規格の要求事項を満たせていない
ISO規格には、それぞれの分野に応じた「要求事項」が詳細に定められています。この要求事項とは、品質管理の基準や環境保護の方針など、組織がISOの理念に沿った活動を行うために守るべきルールです。この要求事項を満たしていないと、不適合として指摘され、ISOの認証が維持できない可能性も出てきます。
例えば、ISO 9001の品質マネジメントシステムの場合、「お客様の要求に応じた製品を提供する」ことが基本的な要求事項です。ここで、顧客の要望を無視してしまったり、品質が基準に達していなかったりすると、要求事項を満たしていないと判断されるのです。また、文書や記録の管理も重要な要求事項です。手順や記録が適切に管理されていない場合も不適合となることがあります。
要求事項を確実に満たすためには、規格をしっかりと理解し、具体的な手順やマニュアルを作成して日常業務に活用することが重要です。そして、定期的に見直しを行い、要求事項に沿った対応が行われているかを確認することも、不適合を防ぐために有効な方法です。
マネジメントシステムの有効性を保てていない
ISOの認証を取得しても、マネジメントシステムの「有効性」を維持できていない場合も、不適合とされる原因になります。有効性とは、設定した目標を達成し、システムが効果的に機能していることを意味します。単に規格のルールに沿った形を整えるだけではなく、それが実際に効果を上げているか、実用的に機能しているかが問われます。
例えば、ISO 14001(環境マネジメントシステム)では、環境への影響を低減するための目標が設定されます。しかし、その目標を達成するための計画が実行されていなかったり、目標に向けた改善が進んでいなかったりする場合、有効性が不足しているとみなされます。こうした場合も、不適合として改善が求められることになります。
有効性を保つためには、目標に対する定期的な進捗確認や、改善が効果を上げているかの評価が大切です。また、問題が見つかった場合には、速やかに是正措置を講じ、再発防止に取り組むことも重要です。組織内でPDCAサイクル(計画・実行・確認・改善)を意識し、改善活動を続けることで、マネジメントシステムの有効性がしっかりと維持されます。
2. まとめ
ISOにおける不適合とは、規格の要求事項を満たしていないことや、マネジメントシステムの有効性が保たれていない場合に発生します。適切な対応と改善が行われないと、ISO認証を維持するのが難しくなる可能性もあります。ですが、不適合の指摘は、組織の成長のチャンスとも言えます。不適合が発生した場合には、それを改善していくことで、より強いマネジメントシステムを構築し、信頼される組織に成長することができます。
ISOの認証を取得するだけでなく、適合性と有効性を維持し続けることが、長期的な成功につながるのです。不適合を恐れず、積極的に改善を続け、より良い組織づくりに役立てていきましょう。