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タートル図とは?ISOのプロセスアプローチを視覚化するための使い方を紹介!


1.タートル図とは

プロセスアプローチとは

「タートル図」とは、ISOの品質マネジメントシステム(QMS)などで使われる「プロセスアプローチ」を視覚化するためのツールです。ISOの規格では、組織が持っている各プロセス(業務の流れ)をしっかり理解し、それを管理・改善することが求められます。この考え方を「プロセスアプローチ」といいます。

プロセスアプローチとは、単に個々の業務を見直すのではなく、業務全体がどう連携し、結果として成果に繋がっているのかを捉える考え方です。プロセスが連携することで、組織全体としての効果が発揮されます。ISO規格におけるプロセスアプローチでは、業務を「インプットからアウトプットまでの一連の流れ」として見ることが重要です。

タートル図はプロセスを見える化するためにある

タートル図は、業務プロセスの全体像を一目でわかりやすく整理するための図です。「タートル」という名前は、図の形がカメ(タートル)に似ていることからきています。タートル図では、1つの業務プロセスを中心に置き、そのプロセスの要素を「インプット(入力)」「アウトプット(出力)」「人」「装置」「方法」「測定」といった視点から分析します。

これにより、業務がどう進んでいるのか、その進行にどんなリソース(人や機器)が関わっているのか、またどんな結果が期待されているのかが一目でわかるようになります。つまり、プロセスを「見える化」して管理しやすくするために役立つツールです。

2.タートル図の要素

インプット

「インプット」とは、そのプロセスを進めるために必要な情報や素材、データなどを指します。たとえば、製造業のプロセスでは「原材料」や「作業指示書」、サービス業では「お客様の要望」などがインプットとなります。タートル図を作成する際には、このプロセスのスタート地点にあるものが何かを明確にしましょう。

アウトプット

「アウトプット」は、そのプロセスの結果として得られる成果物やサービスです。製造業であれば「完成した製品」、サービス業なら「提供されたサービス」がアウトプットとなります。アウトプットは、そのプロセスが成功したかどうかを測る重要な指標です。タートル図では、インプットがどのようにアウトプットに変わるのか、その結果が期待通りかどうかを確認します。

「人」は、そのプロセスに直接関わる担当者やチームを指します。たとえば、製造業では「生産ラインの作業者」、サービス業では「お客様対応スタッフ」などです。タートル図を作ることで、プロセスの各段階に誰が関与しているのかをはっきりさせ、役割分担や責任の所在を明確にすることができます。また、適切なスキルを持った人材が配置されているかどうかも確認するためのポイントです。

装置

「装置」は、そのプロセスで使用される機器やツールです。製造業では「機械設備」や「工具」、オフィス業務では「コンピューター」や「専用ソフトウェア」などがこれに該当します。プロセスがスムーズに進むためには、適切な装置やツールが整っているか、またそれが正しく機能しているかが重要です。タートル図では、装置がどのようにプロセスに影響を与えているのかを把握します。

方法

「方法」とは、そのプロセスを進めるための手順やルールを指します。製造業では「作業マニュアル」、サービス業では「対応マニュアル」などがこれにあたります。タートル図を使うことで、業務が効率的に進行しているか、手順が守られているか、そしてその手順が最新かつ最適化されているかを確認することができます。

測定

「測定」は、そのプロセスの成果を評価するための基準や指標です。例えば、製造業では「製品の品質検査結果」、サービス業では「顧客満足度アンケート」などが該当します。タートル図では、どのような基準でプロセスが評価され、改善すべき点がどこにあるのかを見つけやすくなります。測定がしっかり行われることで、プロセスの改善が進み、組織全体のパフォーマンス向上に繋がります。

3.まとめ

タートル図は、ISOにおけるプロセスアプローチを理解し、業務を見える化するための強力なツールです。プロセスを「インプット」「アウトプット」「人」「装置」「方法」「測定」といった要素に分けて整理することで、組織がどのように業務を進めているかを一目で把握できるようになります。

この図を活用することで、組織の中のプロセスがどのように機能しているかを効果的に管理でき、改善点を見つけやすくなります。ISO初心者の方でも、タートル図を使えば、業務の全体像がわかりやすくなり、組織の改善活動を進める上で大きな助けとなるでしょう。

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