水嶋和泉

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メタバースについて思う事メモ

メタバース関連の禰好亭めておさんの動画を見て、普段からまとまりなく考えていた私なりの【メタバース像】がぼんやり形になってきたので、備忘録的に残しておこうと思う。 2022年6月現在のメタバース論は、自分が見渡した限りでは随分と【エンターテイメント方面へ寄っている】印象を受ける。 それは勿論、悪い事ではない。 新たなサービスが生まれ、発展しだすタイミングでは参加する人間の熱量を推進剤にして拡大していくから【楽しみたい、楽しませたい】というエンターテイメントの人たちの頑張りがメ

    • 追憶は鎖のカタチをしている 第一幕 その2

      雨の中の葬儀だったが、高校生一人の葬儀としては参列者は多いようで斎場のそこかしこに人だまりが出来ていた。 父親が顔の広い人物だと聞いていた通り成人の列席者もおおく、誠二が悪目立ちすることもなさそうだ。 互いを慰めながら輪を作る女子生徒たちを横目に記帳を済ませ、焼香の列に並んだ。 列が粛々とすすむなか、奥には昴の両親が焼香者へ頭を下げている。 (目が合わないでくれるといいけどな……) 誠二の願いはむなしく、頭を下げる合間の母親と目があってしまう。 その目は参列者への

      • 追憶は鎖のカタチをしている 第一幕 その1

        「一区切りにするか……」 小さくため息をついて、辻原誠二は書類の束を机へ放った。 ライブハウス・ブルーラインの事務所奥の机には、まだ目を通すべき書類が山と積まれている。 「くそっ……!」 胸ポケットから取り出したタバコが最後の1本だ気づき、小さく毒づいた。 折からの長雨がやまないことで遅延するスケジュールを組みなおすのに必要な書類である事は分かっているが、どうにも量が多すぎる。 タバコに火をつけ終わったあとのジッポの蓋をもてあそんでいると、暗い考えが頭をよぎる。

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