Log_2024.1/21 墓場から目覚めて女性声優を観に行った日の日記
・まえおき
こんばんは。
蘇生の呪文は「ご報告」と「写真集」、大妖怪セイユウスキーことぴぃ高ちゃんと申します。
お前、もっと掘って書くべき日の話があるだろってツッコミはとりあえず受け付けないことにして、ちょっとした良い経験をさせていただいた引き換えに課題文の提出を求められたため久々にトピックを絞って筆を取ることになりました。
と、言ってももはや地下に染まった私のことを知らない人も多かろう。
ということで俺、声優オタク時代のスペック。
好きな女性声優: 深川芹亜さん、篠原侑さん、宮原颯希さん
アニメ:あんま観ない
女性声優雑誌・写真集:出ない、出さない、買わない(←素晴らしい、女性声優たるもの服を着て腹から声を出すべきですからね)
コンテンツライブ:行く
声優イベント:暇なら行く
アニメアイコンニコニコプレミアム会員
アニメの声や演技に萌えるのは、過去の話。
ライブでの自らの推しキャラクターを演じる姿に惹かれ、そのコンテンツの声優という領域に手を出す、オルタナティブ・声優オタク。かつての私もその例に漏れない人種であった。
そんな私は何故離れたのか。
声優を追いかけて迷い込んだイベントで北海道の女性に目を奪われたのもそうだけど、供給のない虚無の時間も熱量を保たないといけないという義務感に蝕まれた雰囲気に耐えられなかったのが、おそらく大きい要因だったと思う。
そして気づけば2023年、参加した声優イベントは3回。上で挙げた女性声優陣の姿は一度しか目にしていないという有様。
旧知の仲の人類に会うと「お前、変わっちまったな」が挨拶の次に出てくるようになってしまっていた。
・蘇生の呪文
声優離れが深刻化した2023年の勢いそのままに、ここで行かずにどこで戻るんだという現場を既に2つも干すことを決めてもヘラヘラしていた2024年、もはや私の"萌え"は声優にない___
そう思っていたら飛び込んできた、懐かしくもあり、珍しいアイコンからの通知。
12月、1月。
足を運んでいるアイドルグループに立て続けに変化が起きる、その変化を消化するために空けておいた日付だったけれど、その消化の燃料として少し原点に近い場所に帰ってみるのも良いかな、と思い、二つ返事で誘いに乗ることにした。
というわけで本日の現場、Re:ステージ! Aster Reve 1st EVENT 〜Chain of FlowerS〜
ここで俺スペックその2、リステ知識編。
曲がちゃんとしてる
ライブの治安が悪いらしい
絵のタッチが苦手
(←これ書いて思ったけど二次元コンテンツでは致命的では?)DJイベで流せばイキがれる
ミリオンライブでオリメンDecidedが披露されないのはコイツらのせい嶺内ともみさんが抜けた代役が篠原侑さん
ご覧のとおり、コンテンツに対しては全くの無知。あんなゲームにあんなに(チェキ換算1k枚くらい)課金しておいてリズムゲームも正直嫌いだから、まあ手は出さない。そんな僕には最後の項目だけが唯一で最大の決め手。
"過去形と言って差し支えない、好き"の対象が掴んだ晴れ舞台。それを観たときの気持ちの変化を知りたい。純粋な応援とは少し形の違う興味本位に突き動かされ、この一年、何度も足を運んだ渋谷の街にやってきたのである。
・邂逅
すべてが懐かしい、とはこういう気持ちを言うんだな……
人ではなくキャラクターを形どったフラワースタンド、揃いも揃った普段使いに向かないカラフルなシャツ、同じ柄の缶バッジとアクリルキーホルダーをいくつも並べたバック。2023年4月、さいたまスーパーアリーナで観た最新の光景が巡り、かつての血が騒ぐ。
コレだ、コレだよ。
二次元の供給に飽き足らず、リアルイベントまで踏み込む人間の狂った姿。音を聴きたくてカジュアルに乗り込む層も一定層いる地下アイドルのフロアとはまた少し違う、狂人たちの集う雰囲気。この雰囲気に酔うのも楽しかった要素のひとつだったな。そんなことを考えていたら出会ったのが今回、僕を墓から引き出した張本人。
「わ、私たち、入れ替わってる〜?????」
久々に旧ブログとかいう特急呪物引き出したな
そう。何を隠そうこのとき篠原侑さんを観るために足を運んだのが僕、そこで会った旧知の下地紫野さんのオタクが彼。それがいつしか道を外れ、僕が軽めに整地した道の上を歩くかのように篠原侑さんを追いかけるようになった彼との近況報告。
ぶっちゃけコレもメインみたいな気持ちもあったのは否定しない。居場所は変われども人の縁は切れない。この気持ちを得られたのが最初の喜びだった。
話を終え、颯爽とプレミアムチケットで入っていく大きな背中を見送り、その10分後に一般チケぼくが弱々しい背中で入場。いつも渋谷で位置取る場所と程近い、PA卓前の柵に背中を預けて開演を待った。
・変わるもの、変わらないもの
影ナレ、開幕前のショートドラマ。
コンテンツを今から享受するというスイッチを入れるための演出はどの場所も一緒なんだな、そんなことを考えていたら、第一声で大きな叫び声をあげることになる。
「か、髪が長い?!?!?!」
大妖怪セイユウスキーの生態、出ちゃった。
声優という職業に外見という付加価値をつけてしまう化け物として、篠原侑さん=ウルフというイメージがこびりついていた僕にとってその変化は驚きだった。アイドルにやれ?それはホントにそう。いや、やってるよ。Axelightっていうんだけど
話が逸れた。
演じるキャラクターを、できるだけ投影するために何ができるかを考え、それを実行する。髪の変化から感じ取った、篠原さんの変わらない、役とか仕事を大切にしている様子。一曲目からグッとくるものがあった。
テキストは一切知らない、キャラクターの名前もこの日初めて読み方を知ったコンテンツなのに、自分の視点だけで感動できる。この一年、何人かのアイドルを追って自分だけの思い出を積み重ねてきたことを思い出しながらあたたかな気持ちで見つめていた。
もうひとつ見つけた、変わらないもの。
さっき「狂人」と称した、コンテンツを二次元では飽き足らず三次元まで享受しようとするひとたちの姿。
作ってもらった予習リストを一周した程度の、曲を知らない僕にとって、この日浴びる曲がどういうものかを知る唯一の方法は周りの反応。背中越しに浴びる
「うおおおお!」
「ヤバいこと起きてる!」
「何だコレは!」
という叫び声、妙に懐かしく、心地よい気分になった。
最後の曲、「OvertuRe:」の最後、フルグラフィックシャツの袖で涙を拭う姿を何人か見つけた。狂わないとこんなことにはならないよね。この狂わないと出てこない気持ちのことを僕は知っているし、手を出す場所が変わっても出てきた記憶がある。
コンテンツを愛するが故の良い狂いが変わらず残っている場所。久々に近づいて、浴びたことがいい刺激になった。
見方が変われども、変わらないものはたくさんある。意地が悪いのでちょっと悪い気持ちも抱えたけど、それを噛み砕いて「良かった」という言葉に昇華できるいい一日だった。
・あとがき
最後のMC。
うろ覚えだけれど、「どこかでまた会える」
そんなニュアンスの言葉が篠原さんから聞くことができたのは、僕の立場からしたら、いちばんの収穫だったかもしれない。間違いなくコンテンツの変遷を浴びたRe:ステージのオタクに対する言葉なんだけれども、大妖怪らしく少し認知を歪めてこの言葉を受け止めようと思う。
どこかでまた会えたら、いいな。
そう思っていたものにまた会えた一日、この気持ちを持って親指を立てて墓に戻り、翌日からゾンビは逆方向の道玄坂に向けて歩みを進めるのであった。
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