イランの抗議デモ・反政府デモを暴力で排除してはいけない理由
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名によって
イランの抗議デモ・反政府デモを暴力排除してはいけない理由
イランでは、以前からその前触れ・兆候があったのですが、現地時間2019/11/15(金)から11/16(土)に変わる深夜0時に、突如ガソリン価格を3倍に値上げする措置が取られました。
2019/11/15(金)は、ヒジュラ暦で預言者ムハンマド様のお誕生日でした。イラン、そして世界中のイスラーム地域では特別な祝日でしたので盛大にお祝い事が催されていました。それが一転、この祝日の夜に、寝耳に水、いや天地がひっくり返るような衝撃がイラン全土に走りました。
このガソリン価格の値上げが、もし別な日でしたら、ここまで大きな抗議にならなかったでしょう。この大変おめでたい祝日を一転、苦い記憶となることを、ムスリムである多くのイラン国民は望みませんでした。イラン体制側の有名なイスラーム法学者らでさえも、この日のガソリン値上げを鋭く非難しました。
しかし、この事態を騒動に変えて、破壊活動をする集団が突如イラン各地で現れ、暴動に発展しました。このガソリン値上げと関係ない一般商店や一般人の車まで放火されました。
テヘラン市街の西に位置するシャフレヤールでは、貴重な図書を有する公共図書館まで放火され、多くの貴重な図書が焼失しました。
イラン体制側はこの事態を暴力で排除し、1000人以上の市民が亡くなったとアムネスティは報告していますが、イラン政府はそれを否定しています。
なぜ、イラン体制側が暴徒や市民の殺害を否定したのか?
その理由は、これらの暴動を起こすことに躍起な西側の諜報機関やテロリスト組織のアメリカ軍が一番よく知っています。
軍人の解説↓
つまり、
10人の暴徒のうち、2人を殺害したとすると、残りの暴徒は何人になる?というクイズです。
普通は8人と答えますが、
この軍人は20人だと言います。
つまり、
殺害された2人に、彼らを慕う兄弟や友人が各々6人いるとします。この各々6人は、未だ暴動に参加していませんが、殺害をきっかけに暴動に加わります。
結果、残った8人に加えて、12人が暴徒となります。
よって20人だと言いうのです。
デモ隊や暴徒の鎮静化を図る際、暴力を避けるべきであり、治安部隊がデモ隊や暴徒を殺害して鎮圧を図るのは、一番マズイやり方なのです。
では、
なぜ、西側メディアや人権団体は、デモ隊・暴徒・市民をイラン体制側が殺害していると報道するのか?
正確には大々的なキャンペーンをすることに躍起になるのか?(まさか、彼ら西側メディアや人権団体こそ、真実を伝える側だと思っていませんよね?)
これも10-2=20理論と同じです。
デモ隊や反政府、抗議デモに参加する人々が殺害されたと報じれば、言論弾圧だ!人権侵害だ!生命軽視だ!権力の横暴だ!…と簡単に騒動を巨大化できます。当のデモや抗議活動が何かを知らずとも、これらの旗印のもとに多数の人が集まります。
そして、これら言論弾圧、人権侵害、生命軽視、権力暴走などの話題は、特に西欧諸国が他国に圧力をかけ易い話題です。
日本でも死刑囚が死刑執行されると、必ず人権団体が騒ぎ立てます。ですから、国会開催中やオリンピック開催年には死刑執行されないと言われています。
政権運営上、抗議デモや反政府デモはいち早く鎮圧したい、ですが、暴力を用いると反対に鎮静化しない。
イランで反体制・反政府デモが起こると、アメリカ政府要人が必ず、我々はイラン市民の味方です、とメッセージを発します。今回はトランプ大統領が、わざわざペルシャ語のメッセージをツイートして話題になりました。
「勇敢で苦境を経験しているイランの人々へ:私は大統領となった初期からあなた方と共に抵抗してきましたし、私の政府も同様にあなた方と抵抗するでしょう。我々はあなた方の抗議の数々を近くから援護します。あなた方の勇敢さに魂が揺さぶられます」
このツイートから、トランプ側はイラン人を利用してイランの政権に圧力をかけたいのが分かります。
イラン国内において抗議デモや反政府デモを煽り、国外からはパフラヴィ王政のような親米政権、欧米文化を望む人々も利用して非難の声を体制・政府側に浴びせる、実に姑息なやり口です。
終わりに:
イラン体制側が簡単に市民を殺害しているという報道は、実のところ、真実の報道には遠く及ばず、むしろイラン革命体制や政府に圧力をかけるキャンペーンと見るのが無難です、という話題でした。
―――――本文はここまで―――――
以上、この続きはありません。
ですが、313円で購入していただくと、こんな良い効果があります。
1)あなたの「ライブラリ」に保存されるので、いつでも読み返せます。筆者が消しても読めます
2 )筆者のモチベーションが上がり、今後もnoteに記事を書くことにつながります
ここから先は
¥ 313
いただいたサポートで、日本人のイスラーム研究を応援します!