はじめに
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名によって
イスラームを知るためには、3つの分野を知らなくてはなりません。
イスラームでは、
1、何を信じているのか?
2.何をして、何をしてはいけないのか?
3、人間関係と自身をどうコントロールするか?
1つ目の分野を神学كلام
2つ目の分野を法源学فقه
3つ目の分野を倫理・道徳学اخلاق
と各学問分野で専門的に学びます。
この3柱を知ることがイスラームを知ることです。
また、学問は2つに分類されます。
①道具的学問العلوم الآليةと②教義・本質的学問العلوم الأصليةです。
①は②を学ぶための基礎教学で、アラビア語文法や論理学など
②はそれ自体を学ぶことが目的の学問で、クルアーン解釈学تفسير、法源学فقهなど
イスラームの一次的史料はアラビア語です。
クルアーン、ハディース(伝承)いずれもアラビア語です。
ですから、《アラビア語》特に文法を学び正確にテキストを読解する必要があります。
どのイスラーム学問もアラビア語が一次的な教科書ですから、イスラームを本気で学ぶとなれば、アラビア語は必須です。
アラビア語は更に語形論صرف、統語論نحو、修辞学بلاغة、語彙学معانیなど各々が一つの専門領域を形成しています。一定水準の修得まで辛抱との戦いです。
また、クルアーンは朗誦という意味ですが、唯一神から天使ジブラーイール(ガブリエル)様を通じて預言者ムハンマド様に啓示された言葉です。ですから、明確に美しく朗誦しなくてはなりません。
そのためには朗誦のルールがあります。タジュウィードتجویدつまりクルアーン朗誦学という、これだけで一つの専門領域を形成しています。
クルアーンとハディースの真意を知ること、これがイスラームを知ることであり、冒頭の3分野はクルアーンとハディースに集約されています。それを人類が理解し利用しやすいよう学問として分化し、今日21世紀になっても新たな発見と共に進化し続けています。
クルアーンは大変奥深く、翻訳だけでは理解できません。アラビア語文法と語彙学を駆使して内容を正確に捉え、啓示された背景、クルアーンの節について教友が預言者様やその後継者様に尋ねた際のハディースをもとに何を伝えているのかを読み解くこと、これがタフスィールتفسیر、クルアーン解釈学と言い大変重要な学問の一つです。
ハディースحدیث、つまり伝承ですが、伝承者は信頼できる人物なのかを知る必要があります。これがリジャールعلم الرجال、人物学と言います。
ハディースを伝える文献の調査も重要で、文献学فقه الحديثがあります。
ハディースに使用されている用語の意味を知る必要があります、特に伝承経路において専門用語が多用されているので、各々を正しく知らなくてはなりません、これをディラーヤدراية、ハディース用語学と言います。
また、ハディースの歴史的背景を知らなくてはなりません。いつ、どこで、どういう時代背景、情勢だったのか、ハディース歴史学التاريخ الحدیثもハディース理解には必須です。
人間は日々の生活を組み立て、各々の目的によってコントロールします。イスラームは人類への導きなので、人間生活の詳細に至るまで導きを施しました。
すべきこと、してはいけないこと、
しない方が良いこと、した方が良いこと、
してもしなくてもどちらでも同じこと、
また、
この契約は有効か無効か、
これは許されているのか、禁じられているのか
これは清浄なのか、不浄なのか…
人間が幸せと完成に向かうために、どう生活を組み立てればよいか、アッラーの意図を示し、その法則や法令を述べることをイスラーム法令規則احکام、その根拠を学ぶのがイスラーム法源学فقه、法源学において共通する法則を学ぶのが法源原理学اصولと言います。
人間は自分自身のことを良く知りません、加えて周りの人々とどう関われば良いか、人間関係の悩みは、太古の昔から現代、子供から大人、男性間・女性間・男女間に至るまで人類共通の悩みです。
人間の心の作用に注目して、これをどうコントロールし、鍛えて、人間性の完成に至ればよいか、その原理から実践方法までを研究するのが道徳学اخلاقです。
まとめ:
・イスラームを知るとは3領域、神学、法源学、道徳学の分野を学ぶこと
・3領域はクルアーンとハディースに集約されている
・アラビア語は必須
・クルアーンとハディースを読み・知るために特化した専門領域がある
大雑把ですが以上を踏まえて、
早速イスラームを学んでいきましょう。
なお、故意か意図かを問わずペルシャ語で表記する場面もあると思います。何卒ご了承願います。
ーーー以上、この続きはありません。
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