ハマるということ

一時期狂ったようにメンチカツを食べていたことがあった。時にはビール、日本酒、冷凍炒飯を。昔を思い返してみるとトッポを冷蔵庫一杯に詰め込んだり、いろんなカツ丼を食べるためだけにバイクを走らせていたこともあった。自分の中でいろんなブームが起こり去っていく。

そういえばあの時あんなにハマっていたのに今は全然そんなこと感じないなぁ。普通に好きだし、たまに無性に食べたくなる。不思議なのはあの湧き上がるような衝動はどこにいったのかということだ。
つけあげてくる衝動、無意識にそれを探そうとする衝動、もっともっとと求める衝動、ハマっている時に感じるあの衝動はどこにいったのか。

そんなことを考えている時に自然と手にするものが昔は待っていたものだったりする。
あ、そうか。わかりやすく感じていたことが体の中に、意識のなかに溶け込んだんだとハッと気がついた。どこかにいったわけじゃない。自然と一体化してたんだなと。

ハマるとは愛した人に似ている。
これからもこんなことを繰り返すんだろう。ハマっては終わり、ハマっては終わりを繰り返す。別れのたびに寂しさを感じるけど、いつも一緒にいる。見守ってくれているような安心感。

いろんなものにハマろう。色んなことを知ろう。
人生とはそれの繰り返しだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?