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もの買って来る 自分買って来る

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私の手元にやってきたもの。 タイトルは河井寛次郎の言葉。
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#ガラス

5【金彩花柄のグラス】

花柄が好きだ。 いつの頃からか気に入った花柄があると、素材が何であれ用途が何であれ洋の東西や新旧を問わず財布の紐が緩んでしまうようになった。 それも、比較的成人してからの話。 「花柄」 一言で済ませようと思えば万国共通。 世界中にフラワーモチーフは溢れているし、 古代から人は「花」に対して執着してきているように思う。 強いアイコンだ。 しかし、いかにアイコニックな図案だったとしても私のなかで 「お花だったらなんでもよい」 というものではない。 花にだって描かれ方があ

4【硝子のろうそく立て】

灯火具が好きで、細々と買い集めている。 小さな硝子製のろうそく立て。 そのストンとしたフォルムや面取りが施されたデティールに、ヨーロッパのものかと足を止める。 聞けば、大正時代の硝子製。 割線が残っていて、内側は空洞。 作りはそんなに丁寧でもないし、大量生産だろう。 時間が経った硝子製品によくある、ごわごわとして波打つような肌。 対になって仏具として使われていたものだろうか? 乳白色の曖昧とした姿は、神棚のもののようにも思える。 内側の、放射線状に伸びる線が可愛らしい。