『G線上の魔王』感想

全クリ出来たので備忘録ついでに感想。ネタバレあり。

18禁ADVって沙耶の唄しかやったことなかったけど、結構面白かった。エロシーンいる?とは思ったけど、この議論はエロゲーあるあるみたいだからまあいいや。

本題の中身について。


椿姫ルート

ヒロイン的にはやっぱり椿姫が一番好きだったかな。椿姫の行動原理が一番納得はできないけど理解はできるので、好感度高い。お前はお前の正しさを信じて進めって感じ。下の記事で書いた。

花音ルート

花音ルートは「あーいるいるこういう親とか身内ね」って感じだった。花音はそれでいろいろ悩んでいたみたいだけど、俺は他人の期待に答えたいとかそういう気持ちあまり良くわからないから終始「そんなに悩むことかなあ?」と思った。でも、そういう人間だからこそオリンピック選手目指すとかそういうことができるのかもなあとも思った。

陰謀やらなにやらで点数に細工されて主人公勢は憤り感じていたけど、客観的に見ていた俺からすれば「別に一位取ることが目的ではない感じだったから別に良くね?花音が母親との確執振り切っていい演技出来たんならそれでいいじゃないんか?」って思ったな。まあ浅井あたりは花音のそういった事情をわかった上で社会的証明に価値おきそうだから、「正当な評価をつけろ!花音の努力や実力をコケにしやがって!!」てなるのは分かる気がする。でも、椿姫も「可哀想だよ~」的なこと言っていたのは違和感あった。お前は「一位じゃなくても、花音ちゃんの演技は凄かった!」って言ってくれ。

俺からすると、他人の期待に答えたいと考えるやつ(花音みたいなやつ)とか、他人に自分の夢を託すようなタイプ(花音の母親みたいな奴)って利用されやすい奴って感じだから人としてはあまり好きじゃないんだよねえ(付き合うには楽でいいけど)。

水羽ルート

水羽ルートはBAD ENDのユキとの関係が好き。好き好きやってる関係より憎しみあっている関係の方が絆が強くて俺は居心地良いんだよなあ。可愛さ余って憎さ百倍って言うように好意って反転して制御不能の怒りに変換されるから怖い。でも憎しみって強い理性がないと成り立たないから安心する。だから、刺されてエンドは少し残念。ユキには「お前に一生付き纏って幸せな人生なんか送らせない」ってやって欲しかった。死ぬのは解放だからハッピーエンドなんだよなあ。ていうかユキルートやらせろ!椿姫は人として一番好きだけど、キャラとしてはユキが一番好みなんだ俺は!

水羽は赤ちゃんみたいで可愛かった。二次元でかつ子供って設定なら許せる。大人であんな感じだったら抹殺したくなるけども。登場時は無口なミステリアスクールキャラかと思っていたら、一人じゃ何もできない赤ちゃんキャラだったのは意外性があって良かった。「お姉ちゃ~ん(泣)」ってやっているのは可愛い。可哀想は可愛い。もっと曇らせたい。水羽ルートは実質ユキ&水羽ルートでユキに出番食われていたのでもっと活躍みたかったな。水羽がわがまま言って浅井が肺炎になったうんぬんの下りをもっと詳細に描写してもらって絶望顔見れたらもっと好きになれたかもしれん。

ハルルート

ハルはギャグの掛け合いが面白かったな。登場初期は前髪覆った陰気臭いビジュアルと喋りで登場したから「なんだコイツ」って思ったけど、本性出してきてからはいい感じ。寒いギャグとか躁気味のノリは個人的にはツボ。知能高くて本来内気味な人が周りと合わせるために少し無理して明るく馬鹿ぽく振る舞う感じ結構好き。リアルでそういう人見かけると仲良くしたくなる。

このルートがこのゲームのメインストリーム。魔王が最後まで妥協せず復讐を遂行しようとするのは素晴らしい。”遊び”はあっても抜かりはない感じが感情移入出来て良かった。エンディング流れて「あーこれで終わりかー」からの終章開始はなかなか熱かった。

魔王殺害の罪を浅井が全て引き受けるうんぬんあたりは、正直俺にはそんな響かなかったけど椿姫の「殺人犯でも友達だよ」的なセリフは「やっぱり椿姫お前は最高や!」って感じだった。椿姫に俺の心が動揺されてからのボスラッシュ(ヒロインの連続面会シーン)だったので、雰囲気で感動させられてしまった気がする。ただ、各ヒロイン達には悪いけど栄一の手紙とユキの伝言が個人的には一番好きだ。栄一の「お前は裏の頂点目指せ。俺は表の頂点目指すからよ」とかユキの「あなたにはどうやってお金を返せば良いの?」みたいな遠回しに励まそうとしている感じが一番好み。やっぱり普段のどうでも良いようなことは本音と建前だとか空気読むだとかアホなことしてないでズバッと言って、本当に大事なときこそそういった思いやりをするのが美しいと俺は思うんだよね。普段から本音と建前とか言っているやつはただ自分が傷つきたくないだけのエセ思いやリストなんですわ。

最後に子供出てきたけど、浅井の子供じゃなくて〇〇さん(名前忘れた)の子供っていうNTR展開の方が個人的に好き。「あなたのおかげで、ヴァイオリニストとして活躍して良い夫もいて子供も出来て順風満帆な人生送れてます!感謝してます!」の方が俺の癖にはあっているけど、そんな展開だったら炎上しそうだから脳内妄想で楽しんでおく。

まとめ

総じて、読みやすくてキャラが立っていて面白かった。クリアしてから知ったけどこのゲームのキャッチコピーは「命をかけた、純愛」らしい。所々「なんでこいつら他人のためにこんなに必死になってんだ?」って感想もったけど、前提として「命をかけた、純愛」がテーマにあるからかと納得した。ずっと「復讐物サスペンス」として読んでいたせいで、「なんか唐突にイチャコラし始めたな」とか思っていたけど、それは俺が間違っていた。きっと、これが純愛ってやつなんだな。よく分からんけど。もっと倫理観とか協調性みたいなものを勉強しなくては。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?