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Las Vegas で開催された Atlassian のイベント「Team'24」に参加してみた

4月30日から5月2日 にかけて、Atlassian の年次カンファレンス「Team'24」がラスベガスのコンベンションセンターで開催され、MIXI からは私が代表してイベントに参加しました。

カバー画像は、二日目の創業者による 基調講演 (Keynote) の様子です。とてつもなく広いカンファレンスルームに数多くの聴衆が集まり、新機能の発表などで大いに盛り上がりました。公式発表によると、イベント全体で現地に 4,500人+ オンライン 12,000人以上が参加し、非常に規模が大きかったと言えます。日本からは Atlassian の利用企業を中心に複数の企業と販売代理店を含めた30人ほどの参加者がいたそうです。

この記事では、Atlassian のイベントに参加するに至った目的や、参加前に心配していたこと、実際に参加してみた感想などについてお伝えします。

参加のキッカケ

私が所属する「はたかん」という組織は情シス部門で全社で利用するツール導入や運用を担当しています。エンタープライズ向けの製品に関してはトレンドの移り変わりが激しいため、アップデートなどの情報収集に努めるようにしています。

Google や Microsoft のイベントであれば様々なメディアに取り上げられ、日本にも素早く伝わります。しかし、Atlassian の情報は入手しにくいため、具体的な情報を得る最良の方法は現地でのイベントへの参加だと判断し、実際に参加することにしました。

イベント参加の目的

  • 最新情報のキャッチアップ

    • 来年に契約更新を控えており、利用者の熱量や Atlassian アプリベンダーの情報収集

    • 競合製品への乗り換えの可能性を模索

  • 他社交流

    • イベントに参加されている他社様とのコネクション作りや定期的な情報交換の打診

上記が Atlassian Team'24 の主な参加目的となります。また、従業員の多くは業務でJiraやConfluenceを多用しているにも関わらず、Atlassian という企業に関して十分な理解を持っていないという声もありました。それゆえ、そうした背景情報を収集し、社内で共有をする意図もありました。

心配していたこと

ズバリ英語です😂😂

イベント内容は全て英語で同時通訳はありません。私自身、英語は得意ではありません。製品のドキュメントを参照したり、海外ベンダーと英文メールを送るような機会はあっても、ビジネスで英会話をこなす経験は乏しく、内容を理解できるか不安でした。

組織視点ですと、海外のイベントに社員1名を送り出すだけでもそれなりの費用や労力が必要となります。かかったコストに対して、適切な成果が得られるかどうかという部分も重要視されていると思います。

実際に参加した感想

英語に関しては、正直に言えば、内容の3割程度しか理解できませんでした。

しかし、Atlassian Japan の皆さんがイベントの内容を速やかに公式ブログに掲載してくださったり、アプリベンダーの展示ブースを訪れた際には、私たちの Atlassian 代理店であるリックソフトの皆さんが通訳を担当してくれたりするなど、手厚いサポートが受けられたので、言語の壁による困難は特にありませんでした。

(リックソフトさんはグローバルでもかなり影響力のある Atlassian のパートナーです。今回のイベント参加にあたり色々とサポートしていただき感謝しています!)

基調講演 (Keynote) や各セッションに関してはオンライン配信でも視聴することができますが、実際に色々な発表がされた際のユーザーの反応や熱量は現地でしか測れないものであり、体験しておく価値があると思います。他社交流の側面では、イベント期間中に様々な懇親会をアレンジいただけたので、他の参加企業とも積極的に情報交換することができました。

Atlassian コミュニティリーダーを努めている高橋さんや、当社と同じくオンプレから Atlassian Cloud Enterprise に移行した(しかも数万ユーザーの規模で)リクルートさんを始めとする、様々な企業の担当者とお話ができました。運用上の課題や苦労している点、工夫している点など共通の話題が多く、非常に有益でした。

全体を通して、実際にイベントに参加して得られたものは大きかったと感じています。来年もAtlassian Team'25 が開催されるようですので、ぜひ若手メンバーにも体験してもらい、交流の機会を広げてもらえると良いかなと考えています。


堅苦しい内容が続いてしまいましたが、ここからは私が会場で撮った写真やSNS上での投稿を中心にAtlassian Team'24 の様子を紹介していきます。

イベントの様子

会場の外観

Atlassian Team'24 はラスベガスのベネチアン・コンベンション・センターで開催されました。会場の面積は東京ビッグサイトと幕張メッセを合わせた面積よりも更に大きいそうで、桁違いのスケールですね。

また直前には AWS re:Invent や Google Cloud Next ’24 が開催されており、テック系カンファレンスが多く行われる大規模イベントの定番の地となっています。

受付の様子
EXPO 会場の入口前
DJ ブース
会場の至る所にあるAtlassianのオブジェ

イベント会場は Atlassian のブランドカラーやスローガンに関連した装飾が施されており非常に華やかです。

イベント参加パス
Team'24 専用アプリ

会場が非常に広いので迷いやすいかと思いきや、専用アプリで会場案内が見れたり、出入口でイベントパスを読み取ってスムーズに参加できるといった点は流石イベント慣れしているなという印象を受けました。

基調講演 (Keynote)

共同創業者兼 CEO のスコット・ファークァー氏 による Atlassian の歴史を振り返るシーン
プレジデントのアヌ・バーラドワジ氏による Atlassian の実績紹介
共同創業者兼 CEO の マイク・キャノン・ブルックス氏による新機能紹介

Venetian Ballroomで行われた基調講演 (Keynote) は会場の音響や観衆の反応も相まって非常に盛り上がりました。壇上にいるスピーカーの説明にあわせて歓声や笑いが起こるなど一体感が強い印象が残っています。

最近のテック企業は「AI」というキーワードを前面に出していますが、Atlassian も例に漏れず AI 推し一色な発表でした。特に新機能である「Rovo」に関しては、Atlassian 製品に留まらず、Google や Figma など連携済みのサードパーティツールを含めた検索や提案ができるようになるようです。

多くの企業では業務に必要な資料やナレッジが様々なツールに分散しており、MIXI でも情報の集約とアクセス性の向上は重要な課題です。Slack、Confluence、Googleドライブに散在する情報を効率的に検索・整理するため、自社開発をするか、Rovo のようなソリューションの導入するか、アプローチ方法を検討する際に、Rovo の機能充実度やコストパフォーマンスによっては有力な候補となるため期待をしています。特に、Google や Slack のような検索精度の高いサービスに対して、Rovo がどのように立ち向かっていくのか、性能や使い勝手に大いに注目しています。

その他に発表されたアップデートについても、いくつか注目するポイントがあります。Jira Software と Jira Work Management が「Jira」として統合されることで、バックオフィスなど様々な部署のニーズに柔軟に対応できるようになりました。また、Confluence はデータベース機能の拡充や Landing Pageなど簡単制作できるようになるなど、ユーザーインターフェースが向上するようです。 Atlassian Access の後続製品である「Atlassian Guard」を導入することで、外部IdPとの連携以外にもセキュリティや統制の強化が期待できそうです。さらに、昨年「Loom」という映像共有ツールが Atlassian ファミリーに加わり、Zoom や Google Meet とは異なる視点での活用法が提供されました。

これらのアップデートは大変心強いものですが、一方で、システム管理者としては、これらをどのように評価し、利用者に展開して実務に活かしてもらうかという点で工夫が求められると感じています。

余談ながら、イベント会場では Wi-Fi が提供されていましたが、基調講演 (Keynote) 会場では負荷に耐えきれず、モバイルデータ通信に切り替えてしのいでました。また、壇上のスピーカーの視点から客席をみると、投影資料とスクリプトが大型スクリーンに映し出されているようで、優しい設計になっているようです。

EXPO (展示)

EXPOホールの広さや展示の様子に関しては、下記の動画が参考になると思います。

Jira や Confluence は 様々なサードパーティ製のアプリやアドオンを組み込むことで、標準機能では満たせないニーズに対応することが可能です。 MIXI  では最小限のアドオンのみ採用していますが、多様な相談やリクエストに応じることがしばしばあり、これらのアプリの開発ベンダーにも興味を持ちました。イベント初日には代理店に支援いただき、いくつかのブースを見学しました。

リックソフト】WBS ガントチャートやエクセル風なテーブル計算など、慣れ親しんだプロジェクト管理機能が提供されています
codefortynine】Jira のクローン機能など、複数サイトの運営を補助するツールが多く提供されています
Gliffy】フローチャートやダイアグラムの作成や、他製品への連携の豊富さが特徴の図面制作ツールが提供されています
Seibert Media】Gliffyと同じ図面制作ツールだが、プロンプトからの自動生成が特徴的な draw.io
appfire】ワークフローを柔軟に拡張できるJira Misc Workflow Extensionsや、Microsoft Teams や Slack とJiraの豊富な連携機能が提供されています

各アプリベンダーに共通するところとして、みなさん丁寧に説明やデモをしてくれたり、ノベリティなどのオリジナルグッズをくれるなど、手厚く対応していただけました。

また、Team'24 に関しては様々なパートナー企業がスポンサーを務めており、絶えず軽食やドリンク、アルコールの提供がありました。今回の出張の宿泊には食事のプランをつけていませんでしたが、特に困ることはありませんでした。朝食時には写真のような広い会場で数多くのテーブルを囲んで食事をする姿に圧倒されます😏

その他にも会場内では Atlassian のオリジナルTシャツを貰えるクエストがあったり、Atlassian をよく知る人であればクスっとするような細かな仕掛けもあり、見ていて飽きないです。

パーティ・懇親会

こういった海外のイベントは初めての参加だったので、最も驚いたのがナイトクラブ「Bash」で開催されたアフターパーティでした。参加者同士の交流やコネクション作りを深めることが目的かと思いますが、いかにも海外らしいといいますか、ネオンが眩しい大きな会場や光るリストバンド、 有名な DJ を招いてノリノリでダンスするイベントは非常に新鮮でした。

あまり良い写真がとれませんでしたが、会場内はまさにこんな感じでした🎉

また、Team'24 で予定されていたイベント以外にも多くの懇親会にお誘いいただきました。独りの海外出張だったのですが、効率的にイベントを楽しむことができ、様々な企業と交流できてよかったです。

おわりに

Team’24 への参加から得た学びは、Jira・Confluence を始めとする Atlassian 製品は企業で広く利用されている一方で、新たな機能の追加も頻繁に行われることから、従業員に内容を把握してもらい、効率よく利用してもらうためにはシステム管理者による情報発信やルール設計が不可欠であると感じました。更に、Atlassian だけで全ての業務が完結しないことも踏まえ、他ツールとの連携や使い分けを最適化をしていく重要性も再認識しました。今回のイベントから得られた知識やアイディアをもとに、自社の運用改善に積極的に取り組んでまいります。


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