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日本学術会議問題、6名追加任命へ。菅首相の決定的な国会答弁。

11月2日衆議院予算委員会で、日本学術会議問題について、菅首相の決定的な答弁がありました。答弁を引き出したのは、立憲民主党の川内博史議員です。

川内 学術会議の会員の任命、あるいは六名を任命しなかったという問題は、総理しか解決できない問題ですよね。なぜなら、日本学術会議法に、総理が任命すると書いてあるから。さらに、学術会議法の7条1項には、「学術会議は210名の会員をもって組織する」と書いてあって、総理は累次、「学術会議は政府の組織だ、政府の組織だ」とこう仰っていらっしゃるので、210名の会員にする責任も総理は負ってらっしゃる訳でございまして、他方で日本学術会議がこの6名を任命してくださいと言い続ければ、推薦されている人以外を任命することは法的に絶対できないので、欠員がずーっと続く、これは政府として絶対やってはならないことだろうと、総理大臣としてやってはならないことだろうと思います。

(中略)

川内 総理は縦割りを打破する、官僚主義を打破するんだと仰っていて、叩き上げだと仰る。私も叩き上げ比べをしてもいいぐらいだと思ってますけども、この問題を解決するできるのは総理しかいないので、これね、突っ張っても違法状態が続くだけなんですよ。なぜなら、総理のところにはね、梶田会長の6名任命してね、お願いしますよという要望書が来ましたよね、これは法的にはたぶん、日本学術会議が6名をもう一回推薦してね、と持ってきてるんですよ、で総理の手に6名の推薦名簿があるんですよ今、その方たちを推薦しないと、210名が会員として揃わないので、総理大臣としての責任を果たしていないって事になるんです。なぜなら、210名の会員を組織させるのは総理大臣の責任だから。最終的に。だから、この問題を解決できるのは総理しかいないんです。たった1人なんですよ、この国で。みんな色んなことを言いますよ。結局、説明できないのであれば任命するしかないし、私はそう思いますよ。
あと、学術会議のことが、ずっと前から俺は問題に思ってたんだと、改革したいんだと、だって改革者だからね、改革しなきゃいけないんだと仰るのであれば6人を任命した後、正式な会議体を作って議論してね、そして会員の推薦のあり方とを含めてちゃんとしてねと、これまでと同じやり方をやっていくということが、信頼を受ける、国民に信頼される政治ではないかというふうに思います。そうじゃないとですね総合的俯瞰的にですね、国民の皆さんから菅内閣は訳わからんと思われちゃうんですよ。
総理が一人なんですよ、これ解決できるのは。このまま学術会議が6名の推薦を取り下げませんとあくまでも任命してくださいと言い続けたら6名がずっと欠員のままですからね。それは政府としてやってはならないことですから。総理として考えると、梶田会長を呼んで考えると、よく話し合ってみると、もう梶田会長は6名推薦してねときちゃったんですから来てるんですから、要望書は出てるんですよ。総理のところに。それはちゃんとじゃあ話すからというぐらいはしないとですねこれずっと続くんです膠着状態が。このコロナ禍で、ですねこの中で他に議論しなければならないこともたくさんあるんですよ。総理として決断してください。

菅 理論的には川内委員が言われる通りだというふうに思います。で、梶田会長が来られた時にそれは確かに受け取りました、任命の要望書について。その上で、梶田会長とは国民から理解をされる学術会議にしていきたいと、さらに、そのために、さらにそのために何をやるべきかということもを一緒にやっていきたいと、そうしたことについては合意をしまして、いま、井上大臣のところで梶田会長と会談をして、そうしたことを進めさせていただいているところであります。
その、任命するしないということは、そのままの状況になっています。で、結果として、理論的には川内委員の言う通りだという風に私は思ってます。
(中略)
川内 じゃあ改めてもう一度あの日本学術会議が6名の先生方のの推薦を総理に上げてきたらその時は考えるということでよろしいですね。
菅 全体の内容を見て判断することになると思います。

日本学術会議問題、明らかに解決のために大きく前進した、決定的な答弁だと思います。

川内議員の主張は、210名に欠員が出ている現状は違法状態であり、それは日本学術会議が6名の推薦名簿を出し続ける以上、それを総理大臣として追加任命するしかない。その後に、日本学術会議問題のあり方について議論すれば良い、という提案です。

それに対して、菅首相は、「理論的には川内委員の言う通り」だと答弁しました(2回も!)。最終的には、「全体の内容を見て判断する」と言っていますが、これは6名を追加任命する布石でしょう。少なくとも、追加任命する用意が菅首相としてはある、という意思表示であると言えるでしょう。

ちょっと気になること

このやりとりを見ていて気がつくのは、菅首相の答弁に対して、複数回にわたって官僚がその答弁に割って入ろうとしている形跡があることです。そのうちの1人は、内閣官房長の大塚幸寛です。

これがどういう事なのか、ちょっと留意するに値する可能性が高いです。日本学術会議の件、解決を妨げているのは、菅首相ではないという印象を受けました。

日本学術会議問題を解決するために

本日2日の菅首相の答弁は決定的なものです。野党として、この答弁を足がかりにして、6名追加任命を進めていくことで、日本学術会議問題を解決していく道筋が、確実に見えました。

しかし、なぜかこの答弁はマスコミからは黙殺され、野党支持者の中でも、さほど話題になっていないようです。このままでは、この答弁そのものが存在しなかったかのように事態が進行しかねません。このコロナ禍で日本学術会議問題が膠着すると、大切な国民が置き去りにされることになります。その場合、ダメージを受けるのは菅政権だけではなく、野党も国民からの支持をさらに喪うことになりかねません。

せっかく菅が譲歩の姿勢を見せ、解決の糸口が見えたのです。皆様、ぜひこの事実を拡散していただくよう、お願いいたします。

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