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コロナ禍、「みんなで生き延びる」ための経済政策にむけて 完結篇 ―こうすれば感染と恐慌のどちらも回避できる―

これまでのおさらい

以下、初回の記事をまとめます。

・感染爆発も恐慌も、どちらも何万もの命にかかわる問題であり、どちらか片方を軽視することはできない。

・今は「豊かさを目指す」社会から「みんなで生き延びる」ための社会へと早急に転換するとき。

・現状、GOTO系と緊急事態宣言しか社会制御の手段がない。「体が思うように動かないから栄養ドリンクを飲んで倒れるまで働いて、倒れたら輸血して手術する」ような状況。どちらの政策も持続可能ではない。

・闘病しながらも穏やかに回復を目指すような、持続可能な経済政策を開発する必要がある。

第二弾の記事では、第一弾の社会システム分析を踏まえて、「価格」誘導による経済政策の可能性について論じました。

・飲食店やサービス業が、感染対策をすることで経営が苦しくなっているのは、「価格」が固定されているから。

・感染対策「としての」経済政策の基本は、感染拡大につながる商品・サービスの価格を上げ、感染を抑制する消費行動は価格を下げること。

・価格が上がれば、顧客が減っても客単価が上がるため、経営へのダメージが小さくなる。

・時短要請と比べて、価格上昇政策は、①感染抑止効果が大きく ②段階的にコントロールでき ③経営・経済へのダメージが小さく ④財政へのダメージが小さい という絶大なメリットがある。

・しかし、私たちの資本主義社会においては、政府が私企業の価格を決定することはできない。「擬似的な価格統制」手段を開発する必要がある。

ここまでが前提の話です。

これから「日本社会において、どうしたら擬似的な仕方で価格をコントロールできるのか」という話をしていきたいと思います。

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