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ビッグモーターと知床遊覧船。コンサル会社・武蔵野が産んだ「無脳化する組織」

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はじめに

ビッグモーターによる保険金水増し請求が、大きな社会問題になっています。

問題の背景には、ビッグモーターの強権的な経営体質があることが、多くの報道で指摘されています。しかし、どのようにこの異常な組織体質が生まれたのか、踏み込んだ報道はほとんどありません。

昨年4月に26名の犠牲者を出した知床遊覧船と、ビッグモーターは、どちらも非常に似通った構図のもと、大きな社会問題を引き起こしました。経営層の独裁体制の元で、自社の利益第一主義のために顧客の生命・安全性を損なったのです。

そして、両者の経営指導を行ったのが同じコンサルティング会社です。これは果たして偶然なのでしょうか。

その会社の名前は、株式会社武蔵野。経営者が小山昇だと言えば、聞いたことがある人も多いでしょう。これまで、マスメディアなどで大いにもてはやされてきた人物だからです。

しかし一方で、武蔵野の前時代的な経営指導が、結果的にビッグモーターや知床遊覧船のような反社会的企業を作り出したのではないかという疑念が囁かれています。その疑問を、私たちは真剣に受け止める必要があると思うのです。

これは、武蔵野だけの問題ではありません。武蔵野に限らず、洗脳的な経営指導を行うコンサルティング会社や経営塾・宗教的団体は、至るところに存在します。そうしたコンサルティングを日本中の大企業から中小零細企業までが受け、その結果、異常な組織体質をもつ企業が日本中にはびこっています。政治家たちはずっと見過ごしてきましたが、これは現在の日本において最大級の社会問題です。

今回の記事で、ビッグモーター事件および知床遊覧船事故と、武蔵野の経営指導との関係について追及していきます。

ビッグモーター問題の概要

顧客・従業員が告発する、悪質な手口の実態

ビッグモーターは年間売上7000億円・従業員数6000人、総店舗数300店を誇る、中古車販売の最大手です。株主は資産管理会社ビッグアセット100%で、実質的に創業者である兼重一族が支配しています。

そのビッグモーターの33工場すべてで、水増し請求を行っていた実態が明らかになりました。

以下は、工場長がタイヤをパンクさせる方法を指導したとされる動画です。

他にも修理に出された車を、工具を使ってひっかいたり、ゴルフボールを靴下に入れて車体をたたいたり、損害保険会社に対して保険金の水増し請求を行い、過剰な支払いを受け取っていました(日テレNEWS)。

産経新聞

関係者によると、過去3年間で不正請求分50億円以上を保険会社が請求し、さらに2年遡ると、調査費用をあわせて100億円以上を請求する見通しです(くるまのニュース)。

問題が表沙汰になって以後、顧客・従業員から告発が相次いでいます。

ある顧客は中古車購入後2週間で、走行中にサスペンションの異常に気づきクレームを入れたが、逆に修理代30万円を請求された(テレ朝ニュース)。 高級タイヤに取り替えたとウソをついて安価なタイヤを使い、その差額を利益にしていた実態もありました(FRIDAY)。

Twitterで「ビッグモーター体験談」で検索すると、

・中古車を買取った後、売った人に返金を求める
・他の買取り業者との取引を妨害するために車検証をパクる
・ビッグモーターからの買取りを保留したところ、一部部品が取られて他社への販売を妨害された

などの凄まじい体験談が複数出てきます。(もちろん、そのすべてが事実か確証はありません。)

全国のビッグモーター前で、街路樹が不自然に枯死した?

また、7月24日になって、新たな疑惑がTwitterなどで大きな話題になっています。全国のビッグモーター前で、街路樹が不自然に枯れ死しているという証拠が相次いで報告されたのです(SMART FLASH)。

Twitterで「街路樹 ビッグモーター」で検索すると、全国規模で同様の状況が報告されていることがわかります。

なおGoogleストリートビューからは、スーツ姿の誰かが街路樹周辺に何らかの薬品を散布している姿が激写されたようです。

https://twitter.com/takigare3/status/1683445867616018433?s=20

その後、全国の自治体が調査・被害届を提出する流れになっており、ビッグモーターが組織的に街路樹を枯れ死させていた事実が確定しつつあります。

ビッグモーターの異常な経営体質

なぜこのような事件が起きたのか。その背景にはビッグモーターのブラック経営体質があると、調査報告書や関係者などから指摘されています。

まず、利益至上主義のために、従業員には厳しいノルマが課されていました。そして、そのノルマを達成されないと、一発降格させられていたのです。ある現役店長は次のように語っています。

(コロナ前は)3か月、前年比を割ると『一発降格』。店長職であれば一般営業、工場長でいくとフロント、(フロントは)受付のような業務や一般整備士。弁解の余地は現場にはない、数字がすべて。(一発降格は)もう日常茶飯事

日テレNEWS

店長から降格すると月給で35万円から100万円のダウンになるのです。

ペナルティは、給与だけではありません。Twitterではある従業員の次のような証言があります。

https://twitter.com/bri2san/status/1681837416209084416?s=20

また、LINEグループでは、幹部が店長をつるし上げる「ボケ」「死ね」という言葉が飛び交っていたと報道されています。

このような恐怖とハラスメントが横行する独裁的な労働環境が、不正の温床になったというのは、多くの報道が指摘する通りだと思われます。

武蔵野メソッドとビッグモーター

このような独裁的な経営環境を作るのに貢献したと言われているのが、小山昇が率いるコンサルティング会社・株式会社武蔵野です(以下武蔵野)。

主な事業分野はダスキン加盟店としての環境衛生事業と、経営支援事業の2つです。売上高は2018年で約70億円、従業員数は700人前後(株式会社武蔵野)。主な取引先として、JTBや朝日新聞出版社に並んで、BIGMOTORが入っています。

株式会社武蔵野

ビッグモーターと武蔵野メソッド

ビッグモーター問題が起きた背景に、経営陣による恐怖支配があると言われています。その支配の道具として、「経営計画書」と「環境整備」が使われていたと報道されています。

「経営計画書」と「環境整備」は、武蔵野による経営指導の2本柱なのです。

株式会社武蔵野 武蔵野の経営の強み

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