君はどんな世界にいたいのか


「自分で立ち向かわないといけないんだよ」
経緯は忘れたが、そう子どもに言ったことがある。

困難なことが起こっても、結局は自分で乗り越えないといけない。
世知辛い世の中、強くならないと、と半分叱咤激励を込めて。

強くなるにはどうすればいいかって?

武器を手に入れて装備を整え、攻撃力と守備力、そして経験値を積んでいかないとね。

勉強や運動など日々のことをドラクエに例え、もっともらしく子どもに伝えていたのだが、ふと我にかえった。


・・・

そもそも、うちの子どもはどんな世界にいたいのだろうか。

いくら頑張って“ロトの剣”を手に入れてもそれは「ドラクエ」の世界で発揮されるのであって、例えば「どうぶつの森」の世界に行けば、何の役にも立たないのだ。
(例えがゲームで恐縮です)

私はドラクエ想定で話していたけど、もしかすると子どもが身を置きたいのは「どうぶつの森」の世界かもしれない。

そう考えると、やみくもに「武器や装備を固めよ!」なんて言ってた自分がバカじゃないかと思えてきた。

子どもに伝えるべきことは、今いる世界をサバイブする方法よりも、自分に合った世界を見つける大切さだったのだと思う。

・・・


今、自分の意に沿わない世界に身を置いている人も多いだろう。
(もしかすると君もそうかもしれないね)

お金や地位、名誉などいろんな強さが求められる世の中かもしれないけど、今いる世界だけがすべてだと思わないで。知恵や優しさが求められる世界だってあるし、いつでもそこに移ることができるんだから。

子どもに伝える言葉はこっちだったな。今度機会があればそう伝えてみよう。


何よりも必要なのは、いつでも世界をひらりと飛び越えられる、そんな軽やかさなのかもしれない。

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