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神谷宗幣(参議院議員 参政党副代表・事務局長)「新しい国際秩序を日本が構築するべきだ」(『維新と興亜』第13号、令和4年6月)

■日本は経済戦と情報戦でボロ敗け

── 参院選で最も訴えたい政策は何ですか。

神谷 「参政党には具体的政策が少ない」というご指摘を受けることがありますが、我々が何よりも重視しているのは、テレビや新聞が伝えない政治的な問題を国民に伝えたいということです。その上で、国民の皆さんに日本の将来について考えていただき、一緒に政策を固めていきたいと考えているのです。

 我々は、三つの重点政策の一つとして「子供の教育」を掲げています。明治維新以降、西洋の教育が導入され、管理教育が強まったと認識しています。そうした管理教育を改めて、江戸時代のように子供の個性を重視した探求型の教育制度に変えていくべきだと考えています。同時に、敗戦後に刷り込まれてきた自虐史観を一掃して、自尊史観の教育に変えるべきだと訴えています。

── 重点政策の一つ「国のまもり」では、「日本の舵取りに外国勢力が関与できない体制づくり」を掲げています。

神谷 この30年間、日本経済が成長しなかったのは、日本人の能力が低下したからではありません。日本の経済の仕組みを外国勢力に都合よく作り変えられ、日本人の富が外国の資本家に流れているからです。日本は経済戦で完敗したということです。外国勢力によって作り変えられた経済の仕組みを崩さなければ、日本経済は立ち直らないし、日本の国防も成り立ちません。そのために、我々は、外国資本による企業買収や土地買収が困難になる法律の制定を訴えています。経済戦だけではなく、情報戦においても日本はすでにボロ敗けしています。このような状態では、日本が実際の戦争で勝利することはできません。


■新しい国際秩序を日本が構築するべきだ


── 参政党は「戦後国際秩序からの脱却をめざす」と謳っていますが、「戦後国際秩序」とは何を指しているのですか。

神谷 西洋列強の主導で作られた国連体制です。例えば、2015年の国連サミットで「持続可能な開発目標」(SDGs)が採択され、現在国際社会では脱炭素が金科玉条のように唱えられていますが、本当に我々は脱炭素を進めなければならないのでしょうか。脱炭素とは、先行して経済発展した西洋の人たちが今後も発展を続けつつ、他の国からもお金をとれる新たな仕組みとして唱えているだけではないのかという疑問があります。つまり、日本は西洋が作ったルールで戦うのではなく、日本人の国柄、日本人の精神性を中心においた秩序を作り、その中で戦う必要があるということです。彼らが作った土俵の上で戦えば、必ず不利になるのです。

 現在、世界は戦争状態にあり、激動の時代を迎えています。しかも、日本が頼ってきたアメリカは内部から崩壊しつつあります。今こそ、国連体制を絶対視するのではなく、日本が豊かになるための新しい秩序を日本自身が構築するときだと思います。

── 参政党は、日米安保への依存と自主防衛の強化のどちらに軸足を置いているのでしょうか。

神谷 軸は自主防衛力強化に置いています。ただ、今すぐ自主防衛力を強化することはできません。また、いきなり日本がアメリカの影響を撥ね退けようとすれば、日本は他国からの侵略に対して脆弱になるだけではなく、再びアメリカを敵に回すことになってしまいます。自主防衛力の強化を進めながら、現在ある安全保障の仕組みはフルに活用して抑止力を高めるべきだと考えています。

■私が自民党を去った理由

── 神谷さんは教育改革を一貫して唱えてきましたが、自民党でそれができなかった理由は何ですか。

神谷 私は2012年に吹田市議会議員を辞職し、自民党大阪府衆議院第13選挙区支部長に就任しました。私は、教育改革の必要性を訴えましたが、残念ながら共感を得ることはできませんでした。また、私がGHQの占領政策などについて話をすると、「そんな話をすると、自民党の公認をとれなくなるよ」と言われました。共感も得られず、自分の言いたいことも言えない状況であれば、自民党から国会議員になっても、自分の追求している政策を実現することはできないと考えたのです。これが、私が自民党を去った理由です。

── 神谷さんがヤマト・ユダヤ友好協会の理事を務めていることを問題視する人もいます。

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