「日曜の夜ぐらいは…」というドラマが

良すぎてどうしようもない話。

「とりあえず働くしかなくて友達もいなくて贅沢を引け目に感じていて母親と2人で暮らしていて芸人ラジオが日々の楽しみでカフェ運営に興味のある自分」にぶっ刺さりすぎている。

あらすじ的にそんなに惹かれないなと思いつつ岸井ゆきの目当てで録画したはいいものの、1時間のドラマを週に1回じっくり観る行為が割と億劫で(流し見したらしたで理解追いつかずつまらなくなるし)、ゆっくりする時間もあまりなかったから3話くらい溜めてしまっていた。
流石に1話観るか〜と思って再生したら「ワシやないかい!!」の陣内智則状態になってしまい今に至る…というオチ。
当初清野菜名があまり好きではないという懸念点があったけど簡単にクリアしたし、とにかくめるるが良い演技しまくり。若い子褒めとこうみたいなそんなイヤらしい気持ちではなく女優としての存在感がえげつない。めるる“さん”と呼ばしていただきます…
ゆきのに関しては良作に出合わせてくれてありがとな!の気持ち(誰の何!?)
ドラマになると空気読めないウザ元気女みたいな役やらされがちで「#家族募集します」の役と被っているというのは本当にそう そしてそちらに出ていた橋本じゅんが今作では絶妙に嫌な役で良い(ゆきのとの絡みは今のところ無し)

6話までの概要を超簡単に伝えると(ナチュラルネタバレあります)
車椅子の母親と団地で2人暮らし、ファミレスパート勤務のサチ(清野菜名)
家族との縁が途絶えつつあるタクシー運転手のケンタ(岸井ゆきの)
毒親の子で田舎で祖母と2人暮らし、ちくわぶ工場勤務のわぶちゃん(めるるさん)
がエレキコミックのラジオのバスツアーきっかけに知り合って、その時に買った宝くじが後日当たって、再会したりして色々あってカフェ開業を試みるお話。

こう書くと全然面白そうじゃなさそうなんだけど、この話を6話まで観ている人はこれまでの中にどこか共感できたり感動したりしたフレーズやシーンがあった人達だと信じている。
実際私も宝くじが当たったシーンでは、キングオブコントのザ・マミィよろしく「ドラマ〜」になってしまったんだけど、そこでUターンせずに見続けた事により「本当に自分が欲しいと思っているのはお金でも恋人でもなく友達で、更には何かが始まるんじゃないかという心躍るドキドキ感」という事に気付いて死んだ。

なんかまたゆきのの話に戻ってごめんだけど、お守りドラマとして録画を消せずにいる「恋せぬふたり」も、恋愛とかは・・・という自分の背中を押してくれてて元気もらってたんだけど、こちらは確かにお守りドラマではあるものの 友達欲しすぎるんだが!!!!! というのが一個乗っかってしまって辛い。辛いんだ〜〜

友達欲しい欲しい言うくせに何もしてないじゃないというのも本当にそうだけど、このドラマの私にとって最大の共感キャラはサチなので、バスツアー別れ際にLINE交換するの辞めようと言ったり、「楽しいことがあると辛い」発言が痛く痛く体に染み込み"それな"の海に浸かってしまってしばらく動けなくなったよ。
楽しいの後に苦しいが来るなら別に今の何も無い生活でもいいやって思ってしまう気持ちが重たい足枷になっている。
というかこの3人が再会するきっかけが宝くじ=お金なのも憎いよな〜

サチも勿論共感だけどサチ母の気持ちを考えた時に物凄く泣いた。その次の回?くらいでサチの誕生日を2人で祝うシーンも泣けます。先に告知しておきますが物凄く泣けるんです……ドラマでこんな泣くのは久しぶりだった。
わぶちゃんが東京行きたいって言った時おばあちゃんもついてきたことに安心したし、その上でのサチ母×わぶおばの会話は涙腺ダム決壊した(和久井映見×宮本信子なのがもう、、、、、ね)
(水曜ラヴィットのミューズこと矢田さんがとんでもなく嫌な役なのちょっと面白いんだよな 別の役者でも良かったとこない?)
1人暮らしして自立している人間こそ最も偉いみたいな風潮あるけど、家庭の事情って知ってます?と思っちゃうしその繊細な部分もしっかり盛り込まれていて凄い。
それとは対照的な存在としてケンタが置かれているのがなんとも言えなくて
私がサチに共感するように、わぶちゃんやケンタに共感できる視聴者もいるんだよなって思うと本当に罪深い…

ナレーションベースで友達とうまくいかなかった過去を紹介するシーン(どんなシーン??)も八つ裂きにされた気分になったし
ここで岡山天音に言及するのですが!!!!!顔が苦手なのに何故か気になってしまう俳優ランキング1位なので、「最愛」の時といい不穏かつ絶妙な雰囲気出し過ぎている事によりしばらくは信用できずにいました…しかし会社のクソおもんなそうなカラオケで中島みゆき歌ってるシーンが流れてくれたおかげで完全に“こっち側”として認識できた あの数分で視聴者を引っ張ってくるの流石すぎじゃ…?
そもそもラジオのバスツアー主催の時点で“それはそう”ではあるんだけど!というかエレキコミックのラジオきっかけで…がテーマなのヤバすぎる ラジ父リスナーも早くガクパコバスツアー(最悪なネーミング)主催してください誰か…

ネットの記事で「本当にこのドラマは日曜の夜癒されるドラマなのか?」みたいな論争が巻き起こってて、所詮ネットニュースだから…と横目に見つつも流石にこれは んなワケあるかぁぁぁ!! と椅子から飛び上がってしまった。
勿論女性3人集まった時のあのゆったりした空気感が落ち着くし気ままに観てられるんだよな〜って視聴者がいても全然良い。むしろみんなそうであってくれた方が良いと思っている。たかがドラマを、毎週心臓を握りつぶしながら観る必要なんて無いので…

ただそこで、ドラマの設定とか彼女らの境遇とかにわざわざ怒る必要なくないか…?と思う 記事に書かれていたのは、彼女らの職業を辛いものとして描いている事に批判が、みたいな内容だったのだけど
逆にそれに怒れる程世間の人って自分の職業誇れてるのかマジか…ってまた余計な落ち込みモードに入ってしまった。
自分もしょうもない職業のトップレベルとして挙げられがちな仕事をしているし、シフトもキツい時があって、幸いにも職場の人達は優しい人が多いから心配されたりする場面があるけど心の中で(こんな職業しかできない自分が悪い)と思って乗り越えている。むしろ境遇のせいにする以外の乗り越え方を教えてくれませんか?

というかこのドラマ、仕事が辛いというより境遇のどうしようも無さの乗り越え方を教えようとしてくれてるのでは…
わぶちゃんの周りの人間なんてクソムカつくし、サチのファミレスのあれこれもなくはない光景だと思うし。
車の運転を"あり得ない"と思っている自分にとってはタクシー運転手シンプルに凄すぎるしな。ただここでタクシー運転手持ってくるあたり(たまたま停めたタクシー運転手が岸井ゆきのだったら幸運すぎるでしょって思うけど)ラジオの設定活きてるなあとも思う。

きっと怒りの見切りをしたような人達は、こんな素敵すぎる作品に救われる必要のない程強靭メンタル持ってるんだろうなと思うのでどうぞ違う世界で強く生きててください!羨ましいぜ!

1〜3話は一気見だったけど、その後からは次の日休みとか朝遅いとかじゃないとくらっちゃいすぎて観れね〜〜状態になってしまい日程を気にしつつ観ることにしていたけど
6話はたまたま日曜の夜に仕事が無くて次の日も仕事午後からだったからリアルタイムで観てみた。CM早送りとかせず正真正銘ゆっくりドラマを見るなんて珍しくて、なんか良かった。
学生じゃないし仕事もシフト制だから正直日曜の夜なんて関係ないんだけど、かつて日曜の夜に死にたくなってた側の人だったので6話のわぶちゃん本当に沁みたね、


カフェプランナーのイケメンに結局騙されるエンドも、岡山天音などを含めて色恋沙汰にかき乱れてしまうエンドも誰の頭にも一瞬過ぎっているだろうと思う。そもそもこんな素人が簡単に思いついたものより遥かに最悪が待っているかもしれなくて、安寧が保たれていない。
ドラマや映画は何か起これば起こる程面白いのかもしれないけど、このまま何事もなくカフェオープンに漕ぎ着けて3人と家族と幸せに過ごしてくれ〜なんて普段じゃあり得ないくらいハッピーエンドを祈ってしまう。
みんなもそうだよね?


主題歌だけがどーーーーしても好きになれない点はエンディングの岸井ゆきのの可愛さに目を瞑ることにしつつ見惚れすぎて気付いてなかったんだけど、ふとエンドロールのロケ地を凝視していたらチャリ圏内にあって近くを通ったこともある団地名が載ってて え?! ってなった。
調べてみてもサチの団地は本当にそこで撮影されているっぽいので今度見に行こうかな、団地を見にいくのは流石に“いよいよ”かな、の葛藤がある。
イリヤプラスカフェには確実に行きたい。

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