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ダグラスSBDドーントレス(1939)

 アメリカ映画「ミッドウェイ」(2019)ではドーントレスの活躍が見事に描かれている。日本の空母に向かって垂直にダイブしていく映像は、観客に急降下爆撃機のパイロットの感じていた恐怖を追体験させてくれる。ドーントレス(dauntless)という名前の意味が「びくともしない。恐れない。豪胆な。不屈な。」であることを考えるとこの飛行機がパイロットに要求したものを表している気がする。タフさに敬意を示すアメリカ人好みの飛行機である。

 SBDドーントレスは、当初ノースロップ社が1936年に製作したXBT-2試作艦上爆撃機を親会社のダグラス社が開発を引き継ぎ、XSBD-1と名称が変更され1939年に完成した。引き込み式脚と低翼型の主翼で、特徴あるフラップは穴空き式でダイブブレーキを兼ねるようになっていた。運動性が良く、前方機銃を備えていて状況によっては戦闘機との空戦も行えた。欧州戦線ではドイツ空軍の急降下爆撃機スツーカが活躍しており、戦場での有用性を強く感じたアメリカ軍では急遽ドーントレスを制式化した。1940年に空母への配備が開始される。陸軍(バンシーと命名された)や海兵隊にも配備された。

 ドーントレスは日米の戦いの分岐点となるミッドウェイ海戦で大活躍をする。以後は、日本艦隊の天敵となるような活躍を続ける。後継機となるべきTBFアベンジャーがもたついた為、決して速度は速くはないがエンジン・防弾性能・機銃攻撃力などに大幅に改良を続け、終戦時までよく働いた。総生産数は5936機である。

 SBDというのは、Scout(偵察)、Bomber(爆撃)、Dougras(ダグラス)の略である。しかし、パイロットたちは愛情を込めて、Slow、But、Deadly(のろいけど致命的)と呼んだ。

<SBD-3>
全長 10.09m
全幅 12.66m
全備重量 4,250 kg
発動機 Wright R-1820-60  1,200馬力
最高速度 412 km/h
武装 機首12.7mm機関銃×2   後方旋回機銃7.62mm機関銃×2
爆装 1,600/1,000/500kg爆弾×1

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