ホロドモールとウクライナ人の強さ
ウクライナはヨーロッパで一番豊かな穀倉地帯なのに最悪の大飢饉がおきた。ホロドモールという。
スターリンがコルホーズ(集団計画生産)を推進するために、ウクライナの収穫をすべて取り上げたためである。外貨獲得のためという説もある。このとき、600万人から1000万人くらいの餓死者が出たという。人々は食べられるものはすべて食べ尽くし、人肉食もおこなって生き延びたことが知られている。一人の暴君の思い入れで、とてつもなく多くの人命が失われたのだ。ウクライナの人々はみなこの暗い過去を心にとめている。
第二次世界大戦での日本人の軍民あわせての死者が310万人だから、その凄まじさがわかる。ちなみに第二次世界大戦でもウクライナ人は685万人が亡くなったと言われている。
そのほかに人工的な大飢饉でのジュノサイドは、アイルランドのジャガイモ飢饉(死者100万人)や毛沢東による大飢饉(死者4000万人)などがある。もちろんこの実数は不明である。関係者もことごとく死んでいるわけだから。しかし、その悲惨さは記録されている。
これほどまで虐げられた歴史が、ウクライナ人の国を思う強さの根底にあるのだろう。
テレビのコメンテータがさまざまなコメントをしたいるが、ホロドモールについて触れたのはカズレーザーだけだった。
ホロドモールを題材にした小説、映画にチャイルド44がある。ソ連時代の秘密警察の怖さを知ることもできる。そういえば、プーチンは秘密警察の出身だった。