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国産漆が足りない

お恥ずかしながら漆の色は、赤と黒しかないと思っていました。
漆に関して一から教えてくださったのは漆作家の佐々木響子さん。

「私の色は安八(あんぱち)町で育まれたと言っても過言ではないんですよ」
 中学生まで安八町で育った彼女は、そうおっしゃっていました。

大阪のあべのハルカス近鉄本店のバレンタイン企画でチョコの販売と一緒に様々なパティシエのチョコに合う器とのコラボ展以来、彼女の色漆の世界に引き込まれています。

生漆(きうるし)を精製して、半透明の漆にしたところで、顔料を入れると、きれいな色漆になるらしい。
ちなみに馴染みのある黒色は生漆に鉄分や酸化鉄を加えて出すのだとか。

彼女は阪急や近鉄など関西の百貨店では常連になりつつありますが、
先週からは、岐阜駅に直結しているアクティブGの2階で、
今月下旬には静岡の遠鉄百貨店と目白押し……そうそう、静岡と言えば、かつて全国一の漆器の産地です。

学生時代、初詣時期の駐車場アルバイト(年末年始手当と夜勤手当とダブルで高額だったんだよなぁ)で、お世話になった久能山東照宮、静岡浅間神社などがあり、
建設された江戸時代には、静岡に全国から優秀な漆職人が集まってきていたらしい。
宮大工などと一緒に。

時代は流れ、漆器は廃れ、いつのまにか国産漆が激減、97%が中国産になっていました。
そんなこともあってか、7年ほど前、文化庁が、国宝や重要文化財の修復は原則として国産漆を使用することの通達が出ます。
しかし、国産漆が足りていない状況。
そこで現在、京都に続いて国宝・重要文化財が2番目に多い静岡では国産漆を育てる協議会ができ、林業、地場産業、行政などが力を合わせて国産漆を作ろうとしています……って、お世話になっているSBS(静岡放送)の知久さんの受け売りですけどね。

話が逸れましたって訳じゃないけれど、
ますば今後の彼女の活躍が、楽しみです。

写真は、4月に一目惚れして購入した夫婦お猪口。

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