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僕にとっての六本木クラス

好きな韓国ドラマを3つ挙げろと言われたら、「梨泰院クラス」を入れると思います。
そのリメイクドラマ「六本木クラス」が話題になっているらしい。
昨日、途中の一話だけ拝見しました。
 
忠実にリメイクされているので、すぐに登場人物がわかり、
「あぁ、あの人だぁ」、「こういうシーンあった、あった」、「この人、この後、こうなるんだよね」など、ブツブツ独り言をつぶやいていたなぁ。
 
また、「六本木」の飲食店という設定は、僕にとっては濃い想い出が蘇るんです。
その一つが「マンディ」というダイニングバー。
 
上京して、2,3年くらい、20代中頃に初めて連れて行ってもらいました。
テレビで観たことのある大物タレントを中心に、芸能人グループがテーブル席で飲んでいる光景にも衝撃を受けましたが、
何よりママの「マンディ」さんに衝撃を受けます。
聞き上手で、返しが強烈に面白く、
バーカウンターの中に座って酒を作って出しながら会話をしているのに、
目の端でフロアに気を配り、動いているスタッフを呼びとめ、指示も出す……
彼の、いや、彼女の、どちらでもいいけど、ともかく頭の中の構造を知りたいと思ったものでした。
 
たいてい、この店の常連のライターさんと伺っていて、
それがご縁で、僕が編集長を務めた雑誌で、マンディさんに連載してもらったこともあります。
 
その後、有限会社ホワイトマンプロジェクトの事務所が六本木にあった頃、一度だけ一人でふらりと立ち寄ったことがあります。
僕は、あるイベントで膨大な借金を抱え、その後、いくつかの大きな仕事に恵まれ、返す目途がついた時でした。
「あら~、ひとりで来るなんて珍しいわね」
 珍しく店が空いていて、マンディさんがついてお話してくださいました。
話の内容は憶えていないですが、
「あんたはボキャブラリーが少ないんだから、もっと本をお読みなさい!」
 と言われたことは憶えています。
それが最後でした。
 
5,6年前、マンディ閉店の話をうかがい、
そして、先日、マンディさんが亡くなったメッセージを何人かからいただきました。
 
六本木の思い出を3つ挙げろと言われたら、「マンディ」さんの顔が浮かぶんですよね。
マンディさん、昨日も本を一冊読みましたよ。
 

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