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男性のパウダールーム

 「パウダールーム」に縁はありません。
しかし、子どもショーで全国を旅していた頃は欲していました。
ドウランと呼ばれる白塗りをした後、上からフェイスパウダーをはたいていたのです。

ショーが一日二回ある際、メイクを落とすか悩むんですよね。
一度落とすと、再度、洗顔、ドウラン、パウダー、アイラインに眉毛など再び30分以上かけて顔を作らなくてはいけないので面倒なんです。
よって行動は制限される(白塗りメイクのまま出歩けないので)けれど、パウダーを軽くはたきなおして、二回目のショーに、そのまま出演することも多い。
「こんな時は男性トイレにもパウダールームがほしいねぇ」
 とぼやいたこともあります。
そんなこともあり、「パウダールーム」の「パウダー」は、フェイスパウダーだと思っていました。
 
しかし、ウィッグ(かつら)の「パウダー」が語源と知ったのです。
中世のヨーロッパでは、ウィッグが正装でした。
白髪など地毛とウィッグの色との境目に小麦粉などを髪粉として振り、色をなじませていたらしい。
それを振る、もしくは払う部屋を「パウダー(小麦粉などの粉)ルーム」と呼んだようです。
 
それはともかく、近年、日本のパウダールームが進化しています。
空港のラウンジはもちろんですが、
ファッションビルなどでは会員制もしくは有料制のパウダールームが増え、
高速バス会社は、深夜バス利用者のためにパウダールームを設置し、
海老名などの高速道路サービスエリアにもあるらしい。
 
先日、ある大学教授と話していたら、大学に豪華なパウダールームを創ったら、入学希望者の数が急増したとのこと。
これは興味深い。
子どもショーのトラウマか、メイクは「面倒」というイメージしかない僕ですが、今の10代、20代の男性の8割以上が「男性メイク容認」というデータもあるので、
公衆トイレに男性のパウダールームが併設される日がくるのかもしれません。
 
ちなみに先述の大学教授によれば、大学のトイレをキレイにするだけでも入学希望者は増えるらしい。
大学のトイレ巡りも面白そうだなぁ。

写真は和歌山県有田市の公衆トイレにて。

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