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通いたい場所が、また一つ。

祖母は、日本一固いせんべいを口に放り込み、溶かしながら、独特の甘味と風味を楽しむ時間が好きでした。
幕末創業の「田中屋せんべい總本家」のみそ入大垣せんべい四ツ折。
卵を使用しないので、堅く「つや」があり、素朴ながら高級感も……などと、以前、土産物のセレクトサイトでお気に入りとして綴った記憶があります。
 
6代目の田中社長は、先月、大垣市の上石津地区にて新たな店も始めました。
「田の中屋」
古民家をリフォームしたオシャレなカフェ、いや、容器持参の量り売り店、いや、イベントスペース……簡単な分類分けはできません。
僕には、夢のような遊び場カフェに感じられます。
 
昨日、伺った時、ママたちが店内でお茶を楽しんでいる間、
子どもたちは庭で遊んでいて、
僕は縁側の席から、その様を眺めていました。

現代アートのように置かれた土管の上に登って飛び降り、
雨が降ってきたら(昨日は不安定な天気でした)、土管の中で雨宿り。
基地気分を味わい、くり抜かれた穴窓からゴムパチンコで石を飛ばしています。
 
田中社長は、この庭はドラえもんに出てくる土管の置かれた公園をイメージしたらしい。
ブランコや滑り台など用途を固定した遊びではなく、子どもたちは自然に自ら考えて遊んでいました。
 
リフォームした納屋の脇には、かまどがあり、
この店の料理に使用されるご飯は、ここで炊かれます。
もちろん、上石津産の米で。
子どもたちでも簡単にできる安全性の高い薪割り機もあり、これがまた楽しい。
ゆくゆくは、米を自分で炊いていただくメニューもできるのでしょう。
 
リフォームした納屋はイベントスペースにもなり、
様々な人を呼び、トークイベントやワークショップも開かれます。
来月、いらっしゃるラインナップの面々を聞いて大興奮。
 
田中社長と旧知のように綴っていますが、
彼がプロデュースした母校の卒業生図鑑への執筆がご縁で、SNSでやりとりしていただけで、
直接、お目にかかったのは、昨日が初めて。
通いたい場所が一つ増えました。
 
写真は「みそジェラード」。
みそせんべいの器に盛られたジェラードの中のせんべいの食感がいい。
祖母が好きだった感覚を、少しだけ味わった気がします。
帰宅後、仏壇へのお土産として、四ツ折りせんべいを供えました。

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