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電鉄系百貨店が、また一つ…

渋谷の百貨店といえば、東急と西武でした。
以前、雑誌で昭和の渋谷を探って綴ったことがあります。
 
北島三郎さんが流しをしていた頃の話、
円山町にあるラブホテル街と岐阜県との関係性、
戦後の闇市で始まったロシア料理店「ロゴスキー」、
全共闘の溜まり場にもなっていたクラシック喫茶「ライオン」……
話が逸れそうなので元に戻します。
 
渋谷駅の東急百貨店は、3年前に閉店した駅前の東横店と昨日、閉館した本店と二つありました。
昭和20年代、2年ほどですが東急東横店(当時は東横百貨店)は西館の屋上と東館の屋上を結ぶロープウェーがあるなど、華やかな話題が満載だったのです。
 
東急百貨店本店は、僕が生まれる1年ほど前(1967年)に開店しました。
東急が用地を取得したのは、東京オリンピック前のこと。
渋谷を駅前だけではなく、街全体を活性化させようと、
NHK(東急本店に近い)やオリンピック施設などと提携しながら、
当初はスポーツセンターになる予定でした。
しかし、ライバルの西武百貨店が渋谷に進出することが決まり、百貨店になったのだとか。
だから渋谷駅から遠いのです。
 
僕は、結構、利用していました。
百貨店というよりは、同じ敷地内の劇場や美術館、一味違った作品が上映される映画館だけれど。
生活圏内だったこともあります。
笹塚に住んでいた頃は、笹塚から百貨店前を通るバス路線があったので、そこで降り、
雑誌の編集長をしていた頃は、事務所が代々木八幡で近かったので、ふらっと抜け出してはサボっていました。
 
時代は流れ、現在、百貨店は、
特に電鉄系の百貨店は次の時代に突入しているように感じます。
昨日の東急百貨店はもちろん、
そごう・西武がセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入り、そして、昨秋、投資ファンド会社に売却され、池袋西武はヨドバシカメラになる方向なのだとか。
新宿も西口は大規模な再開発により、小田急百貨店が閉店し、再開発の場所にかかる京王百貨店も時間の問題です。
だからこそ、記憶に焼き付けておきたいなぁ……と写真に残す習慣がないことの言い訳。
 
渋谷東急本店の写真も撮っておらず、クラウドに残っていたのは、百貨店内の書店で自著が並ぶ本棚の写真のみ。
差し入れ替わりの自著本を忘れると、ここで買うことが多かったんですよね。

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