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一生忘れられないパフォーマンス

大岩山日石寺は富山県上市町にあります。
1300年の歴史を誇る真言密宗大本山で、地元では「大岩のお不動さん」と呼ばれ、国指定文化財の摩崖仏が知られているらしい。
その不動堂でATSUSHIさんと中村達也さんのパフォーマンス@大岩芸術祭「越中會議」が行われました。
 
ATSUSHIさんを紹介していただいたのは、1ヶ月ほど前のこと。
ニューヨーク在住のパフォーマーが共通の友人だったこと、
彼が新たな追求を始めるきっかけの一つになったピナバウッシュの同じ舞台を拝見していたことで、人見知りの僕の壁が壊れました。
美味しい日本酒を飲んでいたということもあるけれど。
 
2年ほど前、Dragon Ashを離れ、「ODORI(踊り)」を探り始めた話をうかがいます。
その時、僕は彼が語ってくれた「ODORI」の意図を全く理解していませんでしたが、
ただ、一度、拝見してみたいと思い、昨日、ようやく念願が叶いました。
 
会場となる日石寺の不動堂に入って圧倒されます。
摩崖仏の不動明王の前、上手(こういう場合も使っていいのかな)にドラムセットが置かれているだけ。
 
パフォーマンスは、学生時代、大好きだったブランキージェットシティの静岡ライブの際、アルバイトでドラムケースの搬入もしたことのある中村達也さんのドラムから始まりました。
 
そこへATSUSHIさんが現れ、舞い始めます。
最初は下手側で。
ドラマー、舞踏家&舞踊家の長髪ってカッコいいなぁと、冬に向かうのに短髪にしてしまった僕は頭をさすります。
 
不動明王の前で互いに向かい合ってパフォーマンスする二人の様は一対の仁王像のよう。
 
ATSUSHIさんの指の動きや身体の動きの繊細さ、
羽織っていた黒と白の衣装を自在に使って舞う迫力、
次第に不動明王のようにも見え、
徐々に歌舞伎の連獅子の気振りや桃太郎侍、
ジャンベだけで踊る西アフリカの人たちやガムランで踊るバリ舞踊など、
自分が観てきた人生の記憶と重なり合い、
舞踏、舞踊、モダンダンスなど様々な分野や世界も軽々と超えてしまう舞いにATSUSHIさんのおっしゃった「ODORI」を思い出します。
 
SEKAI NO OWARIの「Habit」の歌詞ではないけれど、なんでも分類、区別、ジャンル分けしたがる僕は、「自由」の本質をつきつけられました。
昨日のパフォーマンスは一生忘れないと思います。
 
写真は到着して最初に拝見した十二支滝のライトアップ。

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