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健常者と障害者を考えるときに、僕の考えること

 「多様性」の言葉を多用しているけれど、時々、疑ってしまうことがあります。
たとえば、障害者の話と関係なく、車椅子の写真を誌面などで使用しようと試みるものの、その写真を使うことで他の意味合いを感じてしまうといった意見を説得させられず、差し替えた際、
「この取り組みは時間がかかるよ」
 と、もう一人の自分が慰めて終わってしまうと何だか気持ち悪い。
 そんな時、
「自分の思考は、キレイごとになっていない?本当に多様性になっている?」
と自問自答してしまいます。
自問自答自体がキレイごとっぽいんですけどね。
すぐ忘れちゃうし。
 
そういった僕の頭には、ドキュメンタリー映画「愛について語るときにイケダが語ること」のような作品は必要です。
四肢軟骨無形成症で身長112センチの池田英彦さんの初監督、初主演作。
末期がんと診断された彼が、風俗嬢とラブホテル(たぶん)で性行為している様を自分で記録しているシーンがあります。
それを観ながら、
「そうだよなぁ」
 と僕自身が様々な側面から納得し、その納得が、自分のキレイごとだけになっている思考を少しだけ壊してくれる気がしました。
 
5年ほど前だったか、佐々木誠監督の「マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画」を拝見した時にも同じようなことを感じたっけ。
「愛について……」の作品の中でも、池田さんとプロデューサー、撮影、脚本を担当した真野さんと、この映画を観に行くシーンが入っていました。
ちなみに佐々木監督が、「愛について……」の編集を担当されています。
 
日常生活では、障害者と健常者のつながりを考える際、こういった部分も僕には必要なんだよなぁ。
直接、関係するわけではないけれど、根本的な考え方の部分に少なからず影響を及ぼすんですよね。
ふとしたタイミングで、この映画を拝見することができて、本当によかったです。
こういった映画は、ネットフリックスやAmazonプライムなどでは、なかなか観られないですから。

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