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自分だったら、どんな陪審員になるんだろう

日本の陪審員制度が始まって10年以上経ち、始まった当初の辞退率は5割ほどでしたが、今では7割ほどと高くなっています。
 
現在、公演中の「ザ・ウェルキン」を拝見するにあたり、気になって事前にスマホで調べました。
物語の舞台は、1759年のイギリス東部の田舎町なんですけどね。
陪審員制度はイギリスが発祥らしい。

妊娠経験のある12名の女性たちが陪審員として集められ、殺人罪で絞首刑を宣告されたサリーの審議をします。
サリーが妊娠していると主張していることについて。
妊娠していれば死刑は免れるので、重大な審議です。

本当に妊娠しているのかどうか、そして、吉田羊さん演じる「エリザベス」が、どうしてサリーを救おうと必死なのか……など、物語が進むにつれ、様々な推測が頭の中で交錯していきます。
 
それと同時に、当時の女性の考え方も興味深い。
1759年のイギリスは、植民地時代の真っただ中で、また産業革命が始まる頃。
女性は家庭に入って、子育てや家事をすることが一般的だったようです。
 
妊娠しているかどうかの審議は殺人犯と同室、
死刑になるかならないかの重大な判断をしなくてはいけない戸惑い、
そして、それぞれのバックボーン(20人以上産んでいる方から、流産続きで子供がいない方まで様々)を持つ女性たちの探り合うような空気など、
もし、自分が登場人物の一人だとしたら、どの人に近いか。
 
「早く終わって帰りたい女性になっているだろうなぁ」との推測に達し、面倒なことから逃げがちな自分を再認識するわけで。

隣で一緒に拝見していたサラ役の梅沢昌代さん(存在感が大きかったなぁ)の旦那さま達也さんの言葉をお借りするなら、「薬」になる舞台ではなく、「毒」を注入される舞台でした。
じわーっと染み込んでいくような「毒」に、ハッと気づかされながら、こうして綴っています。
 
そういえば、タイトルの「ウェルキン」は、英語の古語で「天空」を意味しているのだとか。
1759年は75年ぶりに「天空」に舞い戻る彗星を待ちわびていた年でもあり、
舞台のイギリス東部サフォーク地区はUFOの発見で知られた町でもあったようです。

そういえば以前、一カ月ほど滞在したバリ島のウブドも、よくUFOの話を聞いたなぁ。
そして、不思議な儀式や風習も、たくさん体験したなぁ。

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