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コロナ禍の高校球児

コロナ禍の高校生活とは、どんなものなのでしょう。
「入学した時からマスクだから、将来、マスクなしになって街ですれ違ってもわかんなくね?」
「かわいそうとか、ウザいよね。比べるもんじゃないんだからさぁ。周囲が言うほど不幸じゃないよ」
 カフェで、たまたま聞こえてきた高校生の声も含め、コロナ禍以降、いろいろ聴いたなぁ。
 
コインランドリーから戻ると母が珍しく高校野球にチャンネルを合わせていました。
自分でネット配信の操作ができないので、「ドラマ」か「映画」にしてくれと言うかと思いきや、
「今日は、これ見るわ~」
と試合どころか閉会式まで熱心に見続け、古関裕而の曲まで一緒に歌う始末。
 僕も洗濯物を畳みながら、途中、おやつをはさみ、最後は酒を飲みながら、じっくり試合を観ることができました。
 
2020年は春夏ともに甲子園大会は中止、
昨年の夏は学校関係者のみの無観客試合と、コロナ禍で制限を受けてきた3年間です。
合宿生活、ベンチの声出し、円陣……中学までとは違う野球生活に戸惑うことを想像すると、甲子園のグラウンドでプレイする彼らを見るだけで、涙もろいおじさんは、目頭が熱くなるわけで。
 
さて、春の大会で、大阪桐蔭線を甲子園で観た時、「別格の学校だ」と感じていた僕は、準々決勝で下関国際の逆転勝ちのニュースを観た時は驚きました。
準決勝も、その勢いは続き、春の大会で準優勝の近江も破ってしまったのです。
15年前、部員が5名だったチームというドラマ性を知り、おじさんの目頭は……。
 
一方の仙台育英高校。
ベスト8では何度も見かけ、準優勝も何度かしているけれど、優勝はしたことがないらしい。
それどころか東北で優勝した高校は一つもないことを前日のニュースで初めて知りました。
7回、満塁ホームランを放った岩崎選手は、昨年、闘病生活を送り、6月にチームに合流したばかりで、宮城大会ではベンチ外の選手だったと知り、おじさんの目頭は……もう、いいですね。
 
「ただ最後に僕たちがここに立っただけ。全国の高校生たちに拍手してもらえたら」
須江監督の優勝インタビューには目頭どころか号泣でした。
 
写真は昨日、高校野球のお供に出したおやつ。
切った場所で富士山の表情が変わる、両口屋是清の新ブランド「和菓子 結」を。
日本一の優勝旗は、富士山ではなく、白河の関を超えました。

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