見出し画像

雨と太宰と白ワイン

一日中、雨。
田んぼの農作業も自宅の草刈もできません。
 
 「ひどい雨だなぁ」
とぼやきながらも、どこか嬉しい。
身体も心も一休み。
 
午前中に雑用を済ませ、午後早い時間から、白ワインを開けます。
母がネット配信で選んだ映画「人間失格 太宰治と3人の女」を観ながら。
 
太宰治の遺作「人間失格」の誕生秘話を、太宰自身と彼を愛した3人の女たちの目線から、事実を基に描いたフィクション作品です。
監督は写真家としても活躍する蜷川実花さんと脚本家は映画「紙の月」の早船歌江子さん。
もちろん太宰が主人公なんだけれど、3人の女性の描き方に魅了されます。
 
祭りの中、太宰が富栄(二階堂ふみさん)と抱き合っていると、
「おとうさん」
 と少し離れた場所から太宰を見つけた子どもから呼ばれます。
その少し後から来て、現場を見た妻の美知子(宮沢りえさん)が子どもたちに放った言葉。
「行きますよ。お父さんはお仕事中なの」
 台詞の正確さは自信がないけれど、印象に残っているシーンの一つ。

もちろんフィクションなんだけれど、
自己破滅型のイメージがある太宰も重なります。

小劇場に関わっていた頃、出会ってきた方々の顔も浮かび、
作品や演技からにじみ出る物から憧れた時期を思い出します。
僕には精神的な耐久性で無理だろうなぁと思っていたっけ。
そもそも才能もなかったんだけどね。
「お前は快楽に逃げてる」と言われたこともありました。
 
とにもかくにも太宰治作品は、「人間失格」くらいしか記憶に残っておらず、
3年ほど前、青森県は津軽周辺の旅の際、宿で「津軽」をぱらぱらめくっていた程度。
「斜陽」と「ヴィヨンの妻」は読んでみようと思います。
 
写真は先月伺った道後温泉別館「飛鳥乃温泉」の蜷川作品。
蜷川実花作品の特徴の色彩は映画でも素晴らしい。
スクリーンで見たら一生記憶に残るだろうなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?