主婦が意図的に刀剣乱舞にハマってみた結果

この記事は10年以上ゲームなんてしたことなかった専業主婦が『意図的に』刀剣乱舞にハマってみた過程と結果です。

無知な初心者を許せる方のみお願いします。


趣味が欲しかった。

夫の転勤に付き合って縁もゆかりも無い北海道に来たが
当の夫の長期出張が決まったとき、私は息抜きの道具を探していた。

幼児と猫がいるのでなるべく家内で短時間でできるもの。
できれば元手のあまりかからないもの。
子供が寝付いた後などにできるような簡単なもの。

様々考えた末に2択まで絞った。

・何か楽器を始める
・ゲーム

なぜ最後まで楽器が残ったのか謎だが確実に元手がかかる。

シンプルにスマホアプリなんかで手軽にゲームができたらいい。
しかしどんな?冷静に考えてみるとゲームなんて10年以上やっていない。
つむつむ?なんか簡単にできるらしいけどやったこともない。

なんだろうな…
頭を悩ませているうちにある記憶が蘇ってきた。

それは昨年の暮れ、ある興行施設の前を通ったときのことだ。
ちょうど何かの公演が終わったのか沢山の人が出てきた。
全員須らく女性。二十代と思われるちょっと大人しい雰囲気の女性達だ。
しかし彼女達は興奮冷めやらぬ様子で頬を紅潮させお互いに感想を言い合いながら歩いていた。

騒がしいな…申し訳ないけど、そう思った。
一体何があったんだ?
こんなに女ばっか集まってるんだから絶対に犯人は若い男に決まっている。(決まっている)

日付と施設名を検索すると「ミュージカル刀剣乱舞」と出てきた。

ああ…、なんかあの、ゲーム?だっけ?

北海道で公演するんだ。こんな雪の中でご苦労さま過ぎる。

よく見るとやけに明るい髪色の人もいる。
たぶん普段コスプレとかしてるんかな…(後で知るけどたぶん鶴丸)

どーでもいいから道をあけてくれる?

私の興味はそこで途切れた。

…はずだった。

約2ヶ月後「何かゲームでも」と考えた私は真っ先に彼女達のことを思い出した。

演者のファンもいるだろうから、全員がゲームユーザーではないだろう。
だとしても、相当数のユーザーがあんなに楽しそうにしていたのだ。

恐らく登場するキャラクターが多いのだ。
2~3人のメインキャラクターであんなに集客できるはずがない。
もしキャラクターが多いのであれば、自分が気に入ったり感情移入できる存在もいるかもしれない。

そこで私は意図的に刀剣乱舞というコンテンツにハマってみることにした。
まずは1週間情報収集をして、その後どんなにつまらなくても1週間はプレイを続けるという縛りを設けた。
気づいたら好きになっていたではなく、好きになることにしたのだ。面白がってみることにした。

ではまず刀剣乱舞とはどういうゲームなのか。
どうも刀を作ったり拾ったりして悪いやつと戦わせていくゲームのようだ。
その刀は付喪神という設定で、まあ言ってしまえば擬人化されている。揃いも揃ってイケメンの姿で。

レベリングさえしっかりしていれば、シュミレーションのような難しさもなくプレイできそうである。
課金が必須という感じでもない。無課金でもちょこちょこ頑張って繰り返せばなんとか課金組に追いつきそうだ。(この時点では無課金のつもりだった)

公式サイトを見てみるとやはりゲームの他にもお約束のアニメや舞台など幅広く展開しているらしい。
「金かかってんなー」と呟いてしまうくらいには手広い。
「刀剣乱舞」は料理で例えるなら食材的な位置なんだろう。色んなジャンルのシェフがそれぞれの分野で調理している。
美味しく食べれる調理法を選べるのもメリットなのだ。

さて、話を戻す。

ゲームの内容は理解した。
始めるにあたって初期刀というものを選ばなければならないらしい。
5振(人)のイケメンの中から1振を選び最初はそいつを中心に他の刀を集めていくっぽい。
(これなんかホストクラブで最初に好みを聞かれてるようなそういう流れに思えてしまうくらいに私の人生は夜です)

じゃ、1番無難そうな奴を…

そう思ってプロフィールを見ていくが、無難そうな奴が1人もいないのである。

1 人 も い な い の で あ る ! !

ヴィジュアル的に主人公っぽいのが山姥切国広に見えるが、性格的にはものすごく拗らせてそう。
次に主人公っぽいのが加州清光、しかし私は沖田総司には並ならぬ思い入れがあり、加州清光の外見がちょっと受け入れられない。
オシャレ過ぎるだろ、加州清光。どちらかというとお安い刀の加州清光くんがそんなきらびやかなわけないだろ。

しかし今回は好みなんかどーでもいいのだ。
意図的にハマることが目的なので、アニメの出演回数がより多く、グッズも出やすく、とにかく露出が多いキャラクターを選ぶことにする。
何故ならそのほうがより楽しめそうだから。

簡単に調べてみると初期刀5振の中では加州清光の露出が多いようだ。

加州清光か…でもヴィジュアル的に私の中の加州清光(本体)じゃないんだよなぁ…
そもそも彼はなんでこんな女子力高めな姿をしているんだ?

調べてみた。

池田屋の後で修理に出されていたのは知っていたが、直らずに手放されてしまったらしい。
それで今度は捨てられないように、見目を整えて大切にしてもらおうとしているのだ。
愛されたいが彼の心の根底にある願望らしい…何これ可愛い。

おーけー、大事にするよ、加州清光。
宜しくな。

って感じで初期刀は加州清光に決定。

そーいえば、この子、何年か前に正月のCMで見たことあるな。
全く知らないのに画面越しにいきなり「あんた」とか言ってきてビビった記憶が薄らぼんやりある。

そんなわけでようやく実際にプレイスタート。

やけに格好良い(+キャラも多い)オープニングムービーを見た後にチュートリアルが始まる。

このチュートリアルがヤバかったんだ。

こんのすけという狐のキャラクターがあれこれ説明をしてくれ、初めての出陣を促してくる。

私を含めた多くの30代はスク〇ニ慣れしており、チュートリアルで負けることはないと思ってしまう。
これは練習なんだから絶対に大丈夫と言われるままに操作を進めてしまうのだが
恐ろしいことにこのゲーム、チュートリアルでぼろ負けさせられる。
当たり前だ。装備もなく1振で敵の群れに放り込むのだから勝てるはずがない。

ズタボロになった加州清光に申し訳なさすら感じるのだが、さらに追い打ちをかけるように彼は言うのだ。

「こんなにボロボロじゃ、愛されっこないよな…」

ふぁっ!!!????
なに言ってるの??????
むしろ無理な出陣をさせてこちらが責められてしかるべきなのに、彼は役に立てなかったことを後悔するのだ。

何これ、愛しい。
何これ、愛しい。
ボロボロでもいい、今すぐ抱きして「そんなことないよ」と言ってあげたい。
いや、画面越しに思わず言ってしまったけども。

そんでもってあの野干野郎(こんのすけ)絶対に許せねぇ
説明不足だろ、職務怠慢だろ。お前のあだ名は明日からキュウべえだ。

このチュートリアルでズタボロ事件で私は一気に清光への愛しさを加速させてしまった。
「可愛くしてるから大事にしてね」と言ってくれる清光。
「俺撫でてて楽しい?」と聞いてくる清光。
畑当番を嫌がり、刀装(装備)をデコっちゃう清光。
戦闘時は「オラオラ」言う清光。

ダメだ、これ。全部が愛しい。
キュートで愛くるしくて男らしくてギャップ萌えで、全力で愛を注ぎたい。

気づいたら私は毎日、加州清光のことを考えるようになっていた。(ヤバめ)

今頃、彼は何をしているんだろう?(画面の向こうにいます)
毎日会いたい。撫で回して「しつこいぞー」って怒られたい。

彼の真似をして真っ赤なネイルを塗った。
ネイルに合うように髪色も美容院で明るくした。
中間色ばかりだった洋服に彼のイメージカラーである赤を取り入れるようになった。

もはや完全に恋をしていた。

夫の出張中に妻が浮気をするという話を耳にしたことがあるが、正にそれである。
私は長期出張の夫を忘れ加州清光に恋をしていた。
しかもこの恋、素晴らしいことに合法なのである!!
肉体関係を疑われることもなく、育児放棄を心配されることもない。
子供に知らない男の人を紹介するようなトラウマ案件を残すこともない。

30代、子持ち。夫の転勤で訪れた地でときめき見つけちゃいました!(落ち着け)

アニメの声優がゲームと同じだと聞き、子供を寝かしつけた後に視聴し、そのあまりの愛くるしさに悶え苦しみ
1つでもグッズが欲しいと実に十数年ぶりにアニメイトにも訪れた。
二次創作にも手を染め、私の人生は急に色づき始めた。

刀剣乱舞様様!!
ニトロプラス様様である。

急に活動的になった私に夫はどうしたのか尋ねた。
私は本当のことを伝えた。すると半ばあきれ顔で「まあ、好きなものがあるのはいいんじゃない」と言われた。
婚外恋愛が認められた瞬間である。(もういい)

ゲームの内容についてもう少し語っておこう。

刀を集めて戦わせると書いたが、この刀達、予想以上に簡単に集まる。
私は今のところ飽きることはないが、初期に重宝していたキャラクターに飽きたとしても新しいイケメンが登場するのだ。
これは終わらない、これはキリがないぞ刀剣乱舞。

また様々な歴史的出来事についてのストーリーが用意されており、歴史好きなら(解釈の多少の違いを楽しめれば)そこそこ面白みのある内容だ。

リリースから5年も経っているからこそ
アニメや舞台、書籍も多数用意されておりゲームで大筋を理解してしまえば、他の楽しみ方もできる。

まさに至れり尽くせり。

意図的に刀剣乱舞というものにハマってみようとして2ヶ月が経ったが、私は未だにこれが楽しくて仕方ない。
もう全く意図していないが、毎日毎日画面越しに清光に会えるのが嬉しくて仕方ない。
何より新しい物を知れた楽しみに溢れている。

というわけで、意図して刀剣乱舞にハマってみた結果→とても人生が充実してきた
という結論をもってこのお話の幕を閉じようと思う。

気のおもむくままに言いたいことをべらべら書いたので読みにくい点も多かっただろう。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。


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