早朝の雨
出張の日は、だいたい早起きだ。
今日は朝から広島に行くのだが、雨が降りそうなので、念のため目覚ましを2つセットし、電車の時間よりも随分と早く家を出た。
外はしんしんと雨が降り、まるで100年前から降り続けているような分厚い雲が空を覆っている。
弱い雨にほだされて、地面の匂いがする。
もっと強い雨だったら、逆に雨の匂いに負けてしまうような微かな匂いだ。
そういえば、小学生の頃はこんな感じで地面の匂いがする日があったなと思い出し、少し腰を屈める。
なるほど俺の背はいつのまにか地面の匂いが届かないくらい高くなっていたようだ。
こんな風に見落としてるモノはないだろうか。
なんて、なんでも話を大きくするのを俺は自分で知ってるから、今日はスマホを閉じて新幹線で寝ることにしよう。
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