現代社会における「吉野家」
むかーし
「好きな人と食べるからお好み焼きって言うんだね!」
と何かのCMで子どもが言っていた。
確かお好み焼き屋さんのCMだ。
「そんなわけねぇだろ」と思いつつも、食事の本質をよく捉えていると感じた。
我々が生きる現代社会において「食事」とは単なる生存活動ではない。
食事は空腹を満たすと同時に心も満たすのだ。
心を満たすのは
・美味しさ
・一緒に食べる人の笑顔
・見た目の美しさ
などさまざまな要因だが、総じて人間が生み出し、繋いできた文化がなせる技である。
「その文化を途切れさせてはいけない」
と気付いた時、俺はからっぽな心で無表情に牛丼を口に運んでいた。
まさに自分が、その文化を断ち切ろうとしていたのだ。
効率を限界まで高めた吉野家は、現代社会においてとても奇異な存在だ。
集うは哲学者たち。
思考の渦に飲み込まれ、仏頂面にならんように気を付けねばならない。
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