第13号:ピンチをチャンスに変える発想力。そして、やると決めたら本物にこだわる追求心。川崎フロンターレ集客プロモーション部らしさの詰まった傑作企画「いっしょにおフロんた〜れ」。
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第13号:ピンチをチャンスに変える発想力。そして、やると決めたら本物にこだわる追求心。川崎フロンターレ集客プロモーション部らしさの詰まった傑作企画「いっしょにおフロんた〜れ」。


 今回は僕が日頃から取材しているサッカークラブ・川崎フロンターレが行った「いっしょにおフロんた〜れ」というプロモーション企画について語ってみたいと思います。

 というのも、この「いっしょにおフロんた〜れ」で協力してくれた川崎市高津区にある高津湯というお風呂屋さんが、本日(※配信日2015年12月9日)の営業をもって閉店とのニュースが流れてきたからです。

 高津湯さんは僕も取材でお邪魔したことがあるのですけど、まさに「昔ながらの銭湯の見本」のような老舗のお風呂屋さんで、「うわー、こういう銭湯って、本当に今もあるんだ・・」と、昭和感満載のレトロぶりに感動したのをよく覚えています。

 46年の歴史に幕を閉じるとのことで、本当にお疲れさまでした。

 で、この「いっしょにおフロんた〜れ」なんですけど、サッカークラブとは思えない奇抜さと斬新なプロモーションを打ち出す川崎フロンターレの企画の中でも、大きく話題になったひとつだと言って良いと思います。

 2010年の年末から始まり、2年目には映画としても大ヒットした漫画「テルマエ・ロマエ」とのコラボした「テルマエ・フロマエ」、3年目には、NHK Eテレの番組「みいつけた!」の人気キャラクター・オフロスキーとコラボした中村憲剛選手扮する「オフロンスキー」など、年々パワーアップし続けていくという、驚きのプロモーション3部作でした。

 この企画の仕掛け人は、集客プロモーション部の名物部長である天野春果部長。フロンターレサポーターにはお馴染みですね。

 ある年のファン感で、「いっしょにおフロんた〜れ」の軌跡をまとめた天野さんのショートエッセイ集を発売したのですが、僕はその構成と編集を担当。この企画の思い入れや苦労話をたっぷりと聞かせてもらいました。

 この企画が面白いのは、まずJリーグが開催されているシーズン中ではなく、シーズンオフである12月後半から翌年2月の間に展開されたことです。

 これって、かなり異例なんですよ。
というのも、普通の感覚だったら、「なんで試合のない時期なのに、わざわざサッカークラブをアピールするの?」と思うはずですからね。シーズンオフなので、プロモーション(宣伝)しても商品となる試合は売ってないわけですし、言い換えれば、商品(試合)がないのだからプロモーション(宣伝)する意味がないと思われがちな時期なんです。

 でもフロンターレのプロモーション部は捉え方が違います。

「シーズンオフは試合がないから、クラブをアピールする機会がない?そんな風に嘆くなんて、とんでもない。僕はむしろこのオフ期間を『ゴールデンタイム』と呼んでいるぐらいだ。勝敗に関係なく、プロモーションで考えたことが等身大でそのまま評価される。こんなにありがたい時期はないぐらいだ」

 これが天野春果部長のスタンスなんですよ。「試合がないから、アピールする機会が少ない」と嘆くのではなくて、「シーズンオフに開催する企画だから、勝敗に左右されない強みがある。むしろチャンスでしょ!」と捉えて何かを仕掛けてしまう。

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いしかわごう

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サッカーと将棋をコンテンツ化するフリーランスです。Number Webなどに寄稿。著書は「将棋でサッカーが面白くなる本」、「川崎フロンターレあるある1&2」など。「サッカー脳を育む」、「サッカー上達のためのマインドとメソッド」など中村憲剛の著書の構成も担当。