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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ2nd第13節・横浜F・マリノス戦)

9月25日は等々力競技場で横浜F・マリノス戦。神奈川ダービーですね。

 9月に対戦したチームをざっと見てみました。
ブラウブリッツ秋田(天皇杯)、アビスパ福岡、大宮アルディージャ、ジェフ千葉(天皇杯)。そして対戦するのが横浜F・マリノスです。

 振り返ってみると、秋田の後に戦っている4チームはみな、前線からのプレッシングではなく、堅いブロックを作って守るスタイルという守備組織の共通点があります。ボールを持つスタイルである川崎フロンターレとしては、自陣で構えて守る相手をどう攻略するのかという展開が続いているわけで、そりゃ、そういう視点でのプレビューが続くわけです・笑。

 サッカーの試合では、ときに「ボールを持たされる」という表現をすることがあります。

 サッカーはボールゲームですが、マリノスのように守備で主導権を握ることができるチームと対戦する際には、試合中のボールポゼッションが高くても、それが試合の勝敗に直結するわけではありません。

 例えば去年の等々力でマリノスに0-1で負けた試合が、その「ボールを持たされた展開」でした。前半にセットプレーから失点。後半、ボールを保持して攻め続けていたのはフロンターレでしたが、自陣で割り切って構えるマリノス守備陣の前に、思うような有効打が出せませんでした。

 守りで主導権を掴んだ相手が、ゲームのテンポを落としながら時計の針を進めていくと、フロンターレは自分たちのリズムを崩してしまいました。こうなると、ボールを持って攻めている側は、「ボールを持たされる」という感覚に襲われてしまいます。その我慢比べに負けてしまい、最後まで相手の守備を崩し切ることができませんでした。

 一方で、今年の日産スタジアムで対戦した1stステージでは、フロンターレの選手たちは「自分たちがボールを持っている」という自信を持ってプレーし続けました。試合も2-0で完勝。試合後の小林悠の言葉が、実に印象的でした。

「相手が(ボールを)取りにこなかったので、やりにくさはなかったですね。うまくいかないと思って見ていた人もいるかもしれないけど、ボールを持っているのは僕たちだった。そこで焦れて、変に難しい縦パスを入れたりもしなかったし、取りにこないのなら、『僕たちのボールだよ』という感じでした。相手も取れないのだから、ボールを回していればよかった。相手が取りに来ないのだから、保持していれば僕たちのボール。チームみんなが、そうなっていたと思います」

 おそらく今回の試合も「ボールを保持する川崎フロンターレと、自陣で構えて守る横浜F・マリノス」という構図で試合が進むことでしょう。そこで「ボールを持たされるのでなく、持つこと」が勝敗を握るポイントになるわけですが、今回のディープなプレビューでは、そこを深掘りしつつ見所を語っていきたいと思います。

今回のラインアップはこちらです。

1.「ここで俺が出て、完璧にやってポジションを取りたい。そのぐらいの気持ちでやります」。情報が錯綜しているスタメン争いと、予想布陣は?

2.「向こうの土俵に乗らず、自分たちの土俵に引きずり込むために自信をもってやること」(中村憲剛)。そのポイントは、「相手の◯◯を突き、◯◯」と思わせること。

3.「自分のタイミングでポストプレーをすることですね」。ワントップ・小林悠が狙う、中澤佑二と栗原勇蔵のセンターバックコンビ攻略法。

4.攻撃陣のカギを握る伏兵二人に求められる、「正確さ」と「意外性」。

5.守備で押さえるべきポイントは?「ここで結果を出せれば、チームの底上げにもなる」(田坂祐介)。

 以上、5つのポイント。冒頭部分も含めて全部で約6500文字で試合の見どころを語っております。面白そうだな、と思った方は読んでみてください。

では、スタート!

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