初心者のための風間フロンターレ観戦講座vol.2~なぜダブルボランチは、中村憲剛と大島僚太なのか。たくさんボールを受けている選手には、注目すべき理由がある。
初心者のための風間フロンターレ観戦講座第2回です。
第1回はこちらです。→初心者のための風間フロンターレ観戦講座vol.1~最初に理解しておきたい5つのポイント。
今回は風間フロンターレのサッカーを観戦するときの注目して欲しいポイントを説明したいと思います。
それは、たくさんボールを受けている選手の存在です。
なんでこの選手はパスを何度も受けられるのか。
そこに注目してみると、風間フロンターレのツボが掴みやすくなります。
たくさんボールを受けている選手とは誰か。
具体的に言えば、中村憲剛と大島僚太ですね。
2016年はまだどうなるかわかりませんが、2014年のシーズン途中から川崎フロンターレのボランチはこの二人でずっと固定されております。
ダブルボランチといえば、攻撃型と守備型のタイプの組み合わせが一般的だと思います。
守備型というのは、ものすごくざっくり言えば、ボール奪取が得意なタイプですね。フロンターレに在籍していた選手であれば、稲本潤一(コンサドーレ札幌)やパウリーニョ(湘南ベルマーレ)、谷口博之(サガン鳥栖)がそうでしょう。
一方、攻撃型というのは、これまたものすごくざっくりですけど、ゲームを組み立てたり、パス出しの得意なプレーメーカータイプです。そして風間監督は大きな分類でいえば攻撃型タイプといえる中村憲剛と大島僚太の2人を並べて起用し続けています。これはちょっと珍しいんです。
その結果、どうなったか。
ボールを失わないスタイルを志向していた風間フロンターレの、1試合中のパス本数が圧倒的に多くなりました。football-labによれば、2015年シーズンのフロンターレの1試合平均のパス本数は、658.4本でリーグ1位です(ちなみにリーグ平均は458.9本)。
そのフロンターレにおいても、中盤の真ん中を担う2人の総パス数はダントツです。こちらはデータスタジアムの数値ですが、2015年の総パス数は、中村憲剛が3238本、大島僚太は2682本。実はこれは極めて高い数値です。
他クラブの選手のパス総数のデータを見てみると、チーム内トップの選手でも2000本を超えるかどうか(ちなみにガンバ大阪の遠藤保仁は2411本)。全J1リーガーでパス総数3000本を超えていたのは中村憲剛だけでした。
ただここで言いたいのは、パス本数が多いことの是非ではないです。
なんでこの2人の選手は、ボールをそんなに受けて、パスを出し続けることができるのか、という点です。
「いや、だって味方が二人にボールを集めているんでしょ」と思うかもしれないですけど、それは半分正解で、半分間違いです。
だって、パスが集まるのがわかっているなら、対戦相手だって厳しくマークしてきますよ。
それでも彼らは、その包囲網をかいくぐってパスの出し入れを続けることができる。
じゃあ、その秘密はどこにあるのか。
これが2回のテーマです。
それでは、今回の目次です。
1.ダブルボランチに中村憲剛と大島僚太が君臨し続けている理由
2.誤解を招きやすい鉄則「パスはスペースではなく足元に出す」
3.新加入選手が面を食らう、身につけるのに苦戦する最初の技術とは?
4.中村憲剛曰く「ウチはフリーの定義が違うんです」。その真意を理解すべし。
5.風間監督就任後、ピッチ上で一番変化したものとは?
6.風間フロンターレが機能していない時に起きている現象はこれだ!
7.終わりに
今回は5000文字超えてますし、かなり読み応えあると思いますよ。
それでは、スタートです。
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