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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第9節・鹿島アントラーズ戦)

 4月21日は等々力競技場で鹿島アントラーズ戦です。

この鹿島戦前日の4月20日は、鬼木達監督の44歳の誕生日でした。

 全体練習の締めの円陣では、手拍子に合わせてタビナス・ジェファーソンがドリカムのハッピーバースデーを披露して祝いました(森谷賢太郎の指名だったようです)。

 そういえば鬼木監督の誕生日って、去年も等々力での試合前日だったな・・・と当時の記憶の糸をフンフンたぐり寄せてみたのですが、やはり試合前日で、第8節の清水エスパルス戦でした。

 ちょっと当時の状況を思い返してみましょう。
「J1通算20000ゴールまであと1点」というシチュエーションで迎えたゲームでした。ACLの関係で、このカードとガンバ大阪対大宮アルディージャ戦だけが前倒しで金曜開催となっていたため、そういう意味でも注目されていましたね。

 このときのフロンターレは、ヴァンフォーレ甲府戦(1-1)、ACLの広州恒大戦(0-0)、コンサドーレ札幌戦(1-1)とロースコアでのドローが続いており、なかなか勝ち切れない「我慢の時期」でもありました。

・・・負けてないけど、勝ててもいない。
鬼木監督が就任して取り組んできた守備の強度は高まりましたが、今度は思うように攻撃が機能していかないという、ジレンマに悩まされていました。

 そこで鬼木監督は、この清水戦で「俺たちはボールを握ってナンボだろ」とあくまでボールを大事にしながら、フロンターレらしく、追加点を奪いに行く攻撃的なスタイルで進む方向に舵を切ることを選手たちに求めました。

 その結果、金子にJリーグ20000ゴールを決められたものの、阿部浩之の移籍後初得点や中村憲剛の一撃で逆転・・・・ところが、ラストプレーでまさかの失点を喫してドロー。

 試合後はショックも大きかったですが、今振り返ると、勝利は逃してしまったものの、自分たちのスタイルを取り戻し、チームとして浮上するターニングポイントになったゲームとも言えました・・・思い出してきたでしょうか・笑。

 奇しくも、この鹿島戦も、あのときと似たような状況で迎える一戦の気がします。ならば、今シーズンのターニングポイントになるようなゲームになって欲しいですね。

 では、今回も試合の見どころをディープに語りたいと思います。ラインナップはこちらです。

1.「今いるメンバーでやるべきことをやるだけ」(中村憲剛)。小林悠と大島僚太の不在で挑む鹿島戦。気になる予想スタメンは?

2.「そこをもう一回、突き詰めていこうと話しました」(鬼木監督)。試合前日に誕生日を迎えた指揮官。選手たちに示した、自分達がこだわるべきことと、ここから進んで行く先とは?

3.「まわりに言われすぎて、『こうしよう』、『ああしよう』となって動くと良いことがないし、良さが消えてしまってはいけない」。中村憲剛が語る、小林悠と大島僚太がいないからこそ、若手二人に求めたいこととは?

4.前節名古屋戦から予想できる鹿島の出方と、それぞれが考える守備で抑えるべきポイント。「やはり縦に速いサッカー。堅守速攻という感じのチーム」(守田英正)、「金崎選手は、少しでも隙間だったり時間があればシュートに持っていく選手」(谷口彰悟)、「一人で守るというよりは、全員で協力して守りたい」(チョン・ソンリョン)。

5.「パスにこだわりすぎているところもあるかな。もう少し強引にシュートを打てば、それで相手の出方とかも少しは変わってくるので。綺麗にやろうとし過ぎている」。阿部浩之の考える攻撃の打開策。そして、彼がまるで慌てない理由。

以上、5つのポイントで冒頭部分も含めて約7000文字です。よろしくどうぞ。

なお、前節のレビューはこちらです。読み逃した方は、ぜひどうぞ。➡️相手に動かされた守備陣と、相手を動かせなかった攻撃陣。そして今季の鬼木フロンターレを象徴する現象とは?(リーグ第8節・ベガルタ仙台戦:0-0)

では、スタート!

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