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「ドラゴンクエストIII そして伝説へ・・・」〜遊び人に込められたメッセージ。

33年前の今日2月10日は「ドラゴンクエストIII そして伝説へ・・・」の発売日でした。

なおサムネイルは昔、買ったWii版のドラクエシリーズです。初期ロムバージョンなので、裏技やバグ技もそのまま使えたのが懐かしかったですね。

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当時は付録で「ファミコン神拳奥義大全書」も復刻版で付いてきました。あたたたた。

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・・・ということで、このゲームの思い出を振り返りたいと思いきや、ドラクエから学んだことを書きたいと思います。

※このnoteは、2020年10月26日に配信されたいしかわごう公式メルマガ「Going!」の内容を編集したものです。

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今日はゲームの話を。

去年にリリースされた位置情報アプリのスマホゲーム「ドラクエウォーク 」。
かれこれ1年ほどやっております。

ドラクエには勇者、戦士、魔法使い、僧侶、武闘家・・・といろんな職業システムがあって転職できるのですが、最近、ドラクエウォーク に「遊び人」が実装されました。

遊び人は経験値を稼いでレベルアップしていくと、戦闘中に眠り出したり、ダジャレを言ったり特技として「あそび」を覚えていきます。基本的には育てても戦闘には役に立たない職業です。

ただ遊び人と踊り子の両方のレベルを50にしないとスーパースターという上級職になれないので、苦戦しながらもレベルを上げております。

全然強くならない遊び人をレベル上げする作業は、「苦行だな・・・」とけっこうしんどいものがあります。

ただ、それと同時に思うこともあったのでちょっと書いておきます。

遊び人という職業が初めて登場したのは、ドラゴンクエスト3からです。

職業システムが初めて導入されたシリーズで主人公が勇者で、戦士、魔法使い、僧侶、武闘家、商人遊び人、賢者(最初はなれない)から4人のパーティーを編成して冒険に行く物語でした。

オーソドックスなのが勇者・戦士・魔法使い・僧侶の組み合わせで、攻撃と回復のバランスが良いと言われます。初心者は、大体このパーティーでクリアします。

初見から、役に立たない「遊び人」を連れて冒険する人はまずいなかったと思います。難易度が桁違いに上がるからです。何でこんな職業を用意したんだろう?と思うぐらいです。

でも、大人になってから改めて考えてみると、この「遊び人」という一見、役に立たない職業をあのゲームの世界に盛り込んだ堀井雄二先生は偉大だと思うんです。

ドラクエ3のゲームバランスは、緻密に計算されてできています。タイトルムービーなしにいきなり冒険の書を選ぶ画面になるのですが、それは容量いっぱい、リミットまで作り込んだからで、オープニング画面をカットせざるを得なかったのです。

そのぐらい限界まで作り込まれた世界観なのですが、そこに、意味のないであろう存在の遊び人を登場させている。

でも、そこに堀井雄二先生の「別に役立たない人がいても良いじゃん」という強いメッセージがあるように感じるんですね。

事実、遊び人を入れることに対しては製作時にスタッフ陣から猛反対にあったそうです。

冒険をする上で、なくてもいい「無駄な要素」であり、余裕がない状況で必要な理由も特にない存在が、遊び人という職業だったからです。

でも、堀井さんは頑として遊び人を入れたんですね。

多分ですけど、役に立つ人だけで構成されているだけだときっと世界が窮屈になると思ったんじゃないでしょうか。

それが、たとえゲームの世界だとしてもね。

役に立たない人が居たっていいじゃん。

無駄があった世界でもいいじゃん。

そこに信念のようなものすら感じましたね。

実際、ドラクエ3はこのシステムのおかげでいろんなパーティー編成をして長く遊べるシリーズになっています。慣れてくると、役に立たない遊び人を連れてクリアするのが楽しくなってくるものです。

それに初期のドラクエシリーズを見ていると、堀井さんって無駄なことや不確実な要素を入れるのが好きな人なんです。何が起こるかわからない「パルプンテ」という呪文も盛り込んだりしてますからね。

そして、そういう理不尽なことや、役立たないような存在を認める余白や余裕こそが、物語の世界観に、幅であったり奥行きを生んでくれたりします。

子供の頃は、無駄なこともたくさんやってましたが、大人になった今だからこそ、無駄って大事なんだな・・・と堀井先生からも学んでいる気がしています。


そんなことを思い出しながら、ドラクエウォークで今日も遊び人のレベルを上げております。


ではでは。


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