見出し画像

「ホームワークが終わらない」 (天皇杯ラウンド16・清水エスパルス戦:2-1)

 直近のリーグ・柏レイソル戦はスコアレスドロー。
黒星こそつかなかったものの、40試合ぶりに無得点に終わったことで、チームにとってはいくつかの宿題を与えられたゲームとなった。

 その柏戦から中三日で迎えた天皇杯ラウンド16の清水エスパルス戦。
「決定力不足」とはこれまで無縁だったとも言えるチームが、そうした宿題にどう向き合うのか。この一戦には、そんなテーマがあったとも言える。

 試合前の鬼木監督のスタンスは実に明確だった。

「無得点だったことに対しては、当然、意識がありますし、長いシーズンを通して考えると、そういう時もあります。ゴールの重要性をあらためて感じます。ただ大会も変わる。勝ちきることが次のゲームでは一番大事になると思います。勝ちきるためには得点が必要になるのは必然的なところ。期間は短いですが、もう一回、精度のところですね。チャンスの数をもっと増やすために、努力をしていきたいと思います」
 
 そうした回答を、どういう形でピッチで示したのか。
もっと言えば、三笘薫と田中碧が抜けた鬼木フロンターレが「どう勝つか」を示すという意味でも、そのプロセスを読み取るようなゲームだったと言えるのかもしれない。

 そんな視点を交えながら、この一戦を読み解いていく。

ここから先は

7,208字

¥ 300

ご覧いただきありがとうございます。いただいたサポートは、継続的な取材活動や、自己投資の費用に使わせてもらいます。