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「蒼天に向かって」 (2021ACL第6節・北京FC戦:4-0)

今大会初出場となったGK丹野研太がボールを初めて触ったのは、前半33分のことだ。

前半を通じて北京FCに打たれたシュートは1本もなし。それどころか、ペナルティエリア内にも侵入された回数もゼロである。

一方で、前半だけで川崎フロンターレが放ったシュートは22本にも達していた。序盤からフロンターレペースで試合が進むハーフコートマッチだった。

 経験値の少ない若手もスタメンに名を連ねる中、目を引く結果を見せた存在がいる。右ウイングのポジションで初先発となった宮城天だ。

 J3・カターレ富山での期限付き移籍を終えて、今季から復帰。ここまでは天皇杯・長野パルセイロ戦の終盤に出番があったのみだったが、このACL最終節でようやく出番が巡ってきた。川崎フロンターレのトップチームの選手としての初スタメン。意気込みは十分だった。

「6試合あったなかで一度ベンチに入ったが試合に出られず、最後の試合でチャンスをもらうことができた。その前の試合で決勝トーナメント進出が決まり、みんなのおかげで自分がチャンスをもらえた。とにかく自分の力を出してハードワークしようと心がけた」

 ただ、宮城天が右ウイングでプレーしていることを意外に思った人も多いかもしれない。

 富山では左サイドが主戦場であり、天皇杯・長野戦でも左ウィングで出場して見せ場を作っていたからだ。この天皇杯の前にインタビューする機会があったのだが、今季は練習から右ウイングにチャレンジしていること、そこでの取り組みをこんな風に明かしていた。

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