君は僕の勇気。 (リーグ第2節・ベガルタ仙台戦:5-1)
3月6日のユアテックスタジアム仙台でのベガルタ仙台戦は5-1での勝利。
クラブ史上初となるリーグ戦開幕3連勝を飾りました。
中二日のアウェイ・デーゲームということもあり、川崎フロンターレはスタメン6人を入れ替えて臨みました。
そして試合前、密かな注目はキャプテンマークでした。キャプテンの谷口彰悟、そして副キャプテンの3人(登里享平、レアンドロ・ダミアン、脇坂泰斗)がいずれもスタメンではなかったからです。では、一体誰にキャプテンマークが託されるのか。
過去の鬼木監督の傾向を見ると、ACL・イースタンSC戦では井川祐輔、過去の天皇杯では田坂祐介や齋藤学に託したこともありました。言ってしまえば、重鎮に渡すことが多かったので、前キャプテンの小林悠か前副キャプテンのチョン・ソンリョンにじゃないかなと思っていたんですけど、意外にもキャプテンマークを巻いたのが田中碧でした。
下部組織出身者が、トップチームの試合でキャプテンマークを巻いて臨むというのは、おそらく初めてではないでしょうか。ちょっと感慨深いものがありますね。そして試合では見事な高速クロスで先制弾をアシストしています。
一方、仙台の手倉森監督はベテラン・富田晋伍にキャプテンマークを託しました。10年前の等々力で迎えた再開試合に出ていた彼に、その思いを託したからだと言います。
「今日のゲームに対して、集まってくれたサポーターは10年前の等々力と思いを重ねてくれていたと思います。あの試合でピッチに立っていた富田、関口、2人のいずれかにキャプテンをしてもらいたいというのは自分のシナリオにありました。そして富田は1年3ヶ月ぶりにルヴァンカップに復帰して、去年は一度もこのピッチに立てていなかった。富田の復帰を、ぜひキャプテンマークと一緒に披露したかった。そういう思いです」
そんな色々な思いが交錯する一戦となりましたが、結論から言うと、勝負は前半だけでついてしまったと言えます。前半だけで4-0と圧倒。そこにはいくつかの理由があったわけですが、レビューではその辺をじっくりと語っております。
ラインナップはこちらです。
■「メンバーを替えた試合で、勝ち点3を落としてはいけないと思っていた」(小林悠)、「鬼木監督からは『結果を出してこい』と言われました」(遠野大弥)。強い思いを持って臨んでいた3トップのユニット。そして小林悠とアンパンマンのマーチ。
■「特にサイドからのクロス、ボールの速さ、飛び込む速さに対して、クリアができなかった」(手倉森監督)。前半の4得点を生んだサイド攻撃。今季2アシスト目を記録した田中碧が「矢のようなクロス」を磨き続けている理由と、その手本とは?
■特別な思いを背負ってきた相手を圧倒し続けた前半のプレー強度。機能し続けた即時奪還とセカンドボール回収のメカニズム。
■残り約10分で披露した谷口彰悟のアンカー起用。あの意味から読み解く鬼木監督のリスク分散マネジメント術。
■「チームとして一歩一歩ですが、進んでいると進んでいると思います」(鬼木監督)。あれから10年。作り上げることのほうがいい人生でしょう。そう思いませんか?
■(※追記)「日頃、(マンチェスター)シティの試合を見ているので」、「ただもう一個分、ボールを前に蹴りたかったです」。キャプテンマークを巻いた田中碧が思ったこと、語ったこと。そして、デブライネ・クロスで先制アシストを記録しても満足せず、さらなる精度を追求していく理由。
以上、6つのポイントで全部で約12000文字です(8日に追記しました)。分析レビューだけではなく、ちょっとコラム的な考察内容も織り交ぜてみました。ぜひ読んでみてくださいね。
なお、プレビューはこちらです。答え合わせにどうぞ。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第2節・ベガルタ仙台戦)
では、スタート!
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